『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)ほど名言の多いスター・ウォーズ作品はないだろう。銀河史に残る名場面と迫力のアクションが満載の本作には、スター・ウォーズ屈指の名セリフが当然のようにいくつも登場する。もしあなたが、オビ=ワン・ケノービの真似(まね)をして誰にでも「やあ(Hello there)」なんてカジュアルすぎる挨拶をしたり、「賢人ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことがあるか?」なんて尋ねたりしたことがあるなら、これらの名言は、すでにあなたの日常の一部になっているといっても過言ではないだろう。
では『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』20周年を祝し、忘れ得ぬ名セリフ20選をどうぞ!
1 「面白くなってきた」──アナキン・スカイウォーカー
惑星コルサント上空での高速宇宙戦闘から、「スター・ウォーズ セレブレーション LIVE!」のステージにおける新たな冒険の告知に至るまで、この名言はこれから始まるだろう楽しいひとときへの期待感を盛り上げるにこれ以上なく適した言葉だ。『エピソード3』冒頭に登場するこのセリフは、若きアナキン・スカイウォーカーの自信やクローン戦争が始まってからの彼の成長ぶりをよく表現するものとなっている。
2 「議長、シスは我々の専門です」──オビ=ワン・ケノービ
オビ=ワン、それは確かかな? 君が話してる相手こそ、そのシスなんだけど! 公平を期すためにいえば、オビ=ワンとアナキンはクローン戦争で幾度となくドゥークー伯爵と戦ってきたという経緯がある。だから伯爵の扱い方を心得ているというわけだ(それに、ユアン・マクレガーの「言い方」も加点対象)。
3 「この時を待ってた」──ドゥークー伯爵
オビ=ワンとアナキンが同時にライトセーバーを起動するのを見たドゥークーは思わず微笑んでしまう。それは私たち視聴者も同感だ。師と弟子が協力してドゥークーと対決する──いつこんな対決が見られるのかとずっと心待ちにしていたのだから。
4 「殺せ!」──パルパティーン最高議長
温厚な議長の仮面の下からダース・シディアスが少しだけ顔をのぞかせる瞬間だ。パルパティーンはアナキンに対し、ドゥークーに慈悲ははいらぬことを指し示す。「(原語での)Do it.」は「さあ、やるんだ!」ってこと。これは今まで先延ばしにしてきたことをやっと終わらせるという時に、大きなモチベーションともなる魔法の言葉。パルパティーンは説得力のかたまりといえる。
5 「私のライトセーバーのコレクションがまた増える」──グリーヴァス将軍
嗚呼、グリーヴァス将軍! 『エピソード3』でスクリーン・デビューを果たした瞬間からスター・ウォーズ悪役の殿堂入りを果たしたキャラクターだ。将軍のライトセーバー・コレクションは、はるか彼方の銀河だけでなく、私たちの銀河においても伝説となっているほど。いや、いつも疑問に思っているのだが、彼のマントの下に隠された数々のライトセーバーは元々は誰のものだったのだろう?
6 「まさに一件落着だ」──オビ=ワン・ケノービ
どんなプレッシャーにも屈することのない真の優雅さを体得した人物といえばオビ=ワン・ケノービだろう。乗っていた宇宙船が崩壊していく中での彼の様子を見ても、それは一目瞭然だ。ふだんは冷静沈着なパルパティーンが不安そうにしている時でさえ、オビ=ワンは決して冷静さを失わないのだから。そしてなんとか無事に地上に不時着すると──例のいたずらっぽい笑みや額の髪をかきあげる仕草ともあいまって──オビ=ワンの「微妙に癇(かん)に障る」言動ここに極まれり、といったところだ。
7 「じゃ 1つ 借しです。10回目だけど…」「9回だよ。ケイト・ニモーディアの一件は数に入れるな」──アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ
この短いやり取りには、数多くの語られざる歴史が隠されている。『エピソード3』の映画以降も、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(2008-2020)等で、アナキンとオビ=ワンの冒険は数多く描かれてきたわけだが、これはそういったものがあることを匂わせた最初の瞬間だろう。(ケイト・ニモーディアで何があったのか知りたい? 小説「Star Wars: Brotherhood(未邦訳)」を読もう!)
8 「自らの心を鍛えて 失うことへの恐れを捨てるのだ」──ヨーダ
パドメの死を予感したアナキンがヨーダに助けを求める。アナキンの抱える恐怖は暗黒面へとつながる可能性がある、と賢明なるジェダイ・マスターは警告し、利己的な執着を捨てよと助言する。だか、言うはやすく行うは難し、とはこのことで、ヨーダの言葉はすぐに現実のものとなってしまう。
9 「ゆえに評議員にはするが、マスターの地位は与えぬ」──メイス・ウィンドゥ
パルパティーンは自身の代理として、アナキンを評議員に任命させようと強く主張する。これは、千年にわたろうかというオーダーの伝統を覆す要求だったが、これもまたパルパティーンの綿密な計画の一つなのだ。長期戦と策略の達人であるパルパティーンは、アナキンが持つジェダイとしてのプライドが彼自身の弱点の一つであることを以前から熟知しており、この若者に疎外感を味わわせ、ジェダイ評議会への信頼を失わせるよう仕組むのだった。
10 「私たちの戦いは正しいの?」──パドメ
アナキンは自身のジェダイへの疑念をパドメに打ち明ける。と、彼女も銀河共和国の現状に対する懸念を口にする。若いが鋭い洞察力を持つパドメはすでに気づいていた──かつて機能していた民主主義は崩壊し、今は権力を増したパルパティーンが共和国をコントロールしていることに。アナキンは彼女の言葉に信じられないという態度を見せるが、真に何が起こっているかを理解しているのは彼女だけなのである。
11 「君は賢人ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことがあるか?」──パルパティーン議長がアナキン・スカイウォーカーに対し
ジェダイは語らぬ話だ。
12 「フォースの暗黒面はいろいろな力に通じてる」──パルパティーン議長
ギャラクシーズ・オペラ・ハウスにおいて、パルパティーンは静かに、だが重々しい口ぶりで、アナキンの恐怖心を煽(あお)る。このシス卿は、暗黒面の力がパドメを救うために使えるかもしれないとアナキンにほのめかすと、またもや彼の感情を巧みに操るのだった。このセリフはパルパティーンのお気に入りらしく、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)でも、朽ち果てつつもかろうじて生きながらえている自身の体をカイロ・レンに見せる際、再度口にしている。
13 「やあ」「ケノービ将軍! 大胆不敵な男だ」──オビ=ワン・ケノービとグリーヴァス将軍
オビ=ワンはたいていの場合、状況を把握すると、とにかく現場に飛び込んでいく性格だ。彼は上から目線の高圧的なグリーヴァス(およびマグナガード、バトル・ドロイド、ドロイデカ)に対してさえ、軽い挨拶を忘れない。と、これには、将軍も感銘を受けたかとおぼしき口調で応じるのだ。このオビ=ワンの決めゼリフ、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)や『オビ=ワン・ケノービ』(2022)でのそれと比較してみるのもよいだろう。
14 「野蛮だね」──オビ=ワン・ケノービ
オビ=ワンは、即席の武器を工夫したり、(素晴らしいヴァラクティルの)ボーガの背中に乗ってウータパウを舞台に追跡劇を繰り広げたりと、グリーヴァス将軍との戦いには、持てる力のすべてを出し切っている。そして、究極の手段として、相手のブラスターを手にすると、これを使って将軍にとどめを刺すのだった。このセリフは、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』への面白いオマージュとなっており、『エピソード4』では、老オビ=ワンが、ライトセーバーを「もっと文化的だった頃の繊細な武器」と語る場面を見ることができる。
15 「元老院はこの私だ!」──パルパティーン議長
パルパティーンの計画は大団円を迎え、彼はついにジェダイの前にその真の姿を晒(さら)す。ジェダイ・マスター4名がこのシス卿に立ち向かうも、瞬殺──長年の間に積み上げてきた力の出しどころを、パルパティーンは心得ているのだ。たとえジェダイがパルパティーンを圧倒したとしても、議長は政府を完全に掌握している──メイス・ウィンドゥがそれをどれほど否定しようとも。
16 「いよいよだ。時は来た。オーダー66を実行に移すのだ」──ダース・シディアス
ジェダイに最後の罠を仕掛ける時が来た。シディアスはすべてのクローン・トルーパーに秘密指令を送る。これにより、クローンは長年共に戦ってきたジェダイたちに武器を向けざるを得なくなるのだ。この文言が──ジェダイ・オーダーに終焉を──そして帝国の始まりを告げることになる。
17 「これで自由は死んだわ。万雷の拍手の中でね」──パドメ・アミダラ
『エピソード3』でもっとも心に残るセリフといえるかもしれない。銀河共和国の最期を嘆き、看取(みと)るパドメの言葉だ。
18 「終わりだアナキン。私の方が有利だ」──オビ=ワン・ケノービ
ムスタファーの燃える大地を貫くようにして続く激しい対決。オビ=ワンはアナキンに戦いをやめる機会を再度与える。かつてのパダワンを殺したくないオビ=ワンは、まだ引き返せる時に、と最後の願いをかけたのだ。だが、プライドが邪魔をし、アナキンはこの警告の意味に気づくことができず、次の一手を見誤る(オビ=ワンは実際に優位に立っていたのだ)。
19 「あんたが憎い!」「弟と思ってた。愛してた!」──ダース・ベイダーとオビ=ワン・ケノービ
かつてアナキン・スカイウォーカーであった者を見つめるオビ=ワンの心は今にも張り裂けんばかりだ。アナキンがかつての友に対し、どれほど憎しみをあらわにしようと、オビ=ワンは決して怒りやいら立ちでは応えない──彼は生粋のジェダイなのだ。オビ=ワンはダース・ベイダーの最期を確信し、とどめの一撃を与えず立ち去る……が、いかに?
20 「パドメはどこに? 無事ですか? どうなのです?」──ダース・ベイダー
ジェダイの絶滅、師の裏切り、とあらゆる苦痛に耐えてきたダース・ベイダー。その彼が意識を取り戻した際、考えていたのはパドメのことだけだった。
パドメを殺したのはベイダー自身だとパルパティーンが嘘をつくと、残っていたアナキンの意識は消え去り、ベイダーだけが残るのだった。
選外佳作:「うおおおお!(Nooooooo!)」──ダース・ベイダー
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Starwars.com 2025/4/3 の記事
筆者略歴
ケリー・ノックスは「Star Wars Conversation Cards」「Star Wars Be More Obi-Wan」「Star Wars: Dad Jokes」の著者であり、近く刊行予定の「The Phantom Menace: A Visual Archive」の共著者でもある。ダジャレはいつだってマジというスタンスだ。