『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』(2024)の番組クリエーターを務めるジョン・ワッツとクリス・フォードは作品の主役を4人の子供たちに設定した。となれば、各キャラクターには特徴や得意技が必要となるだろうことは言わずもがな。二人はウィム役にラヴィ・キャボット=コニャーズを抜てき。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのアカデミー賞受賞映画『ミラベルと魔法だらけの家』(2021)ではアントニオ・マドリガルというキャラクターにエネルギーと魂を吹き込んだ彼が、今回のスター・ウォーズ銀河においては、冒険を愛し、驚異に胸を高鳴らせるウィム少年を演じる。
ファーン役を射止めたのはライアン・キエラ・アームストロング。アームストロングは6歳で演技を始め、いくつかの長編映画に出演。FXチャンネルの『アメリカン・ホラー・ストーリー』(2011-2023)(シーズン10「2つの物語」)ではアルマ・ガードナー役で子役としてシリーズ初の主演を果たし、エミー賞にノミネートされた経歴を持つ。『スケルトン・クルー』のファーンは若き冒険者たちを大人顔負けの知恵で引っ張っていく。
ウィムの親友のニール、そしてファーンの親友のKBには、それぞれロバート・ティモシー・スミスとキリアナ・クラッターが起用された。スミスが演じるニールは、いつもの何げない日常生活に戻りたいと考える子供らしさと、それに相反するような燃えたぎる冒険心に揺れ動く少年。スミスは、同様にスター・ウォーズ作品(『マンダロリアン』(2019-2023))に出演歴のあるジャック・ブラックと映画『Dear Santa』で共演を果たしている。ファーンの意見を静かなる論理でサポートするKBを演じるクラッターは、舞台や銀幕の合間にYouTubeチャンネルでオリジナル曲を披露する才女だ。
ディズニープラスにおいて2話構成の初回プレミアで配信が開始された完全新作のスター・ウォーズ冒険譚(たん)。ジョッド・ナ・ナウッドと海賊船のクルーの活躍をぜひお見逃しなきよう! さて、このたびは、主役を演じる若きメンバーたちが、旅を始めたばかりのウィム、ファーン、KB、ニールについて、その話せる限りを語ってくれた……
ラヴィ・キャボット・コニャーズ──ウィム役
『スケルトン・クルー』にキャスティングされた4名の最年少スターたちはすぐに絆(きずな)を深めた。映画ナイトを催し、『E.T.』や『グーニーズ』といった、本作のルックや雰囲気に影響を与えた1980年代のアンブリン映画をみんなで一緒に観たのだ。だが、今回彼らが乗るのは自転車ではなくホバーバイク。海賊船のクルーたちはそれぞれのキャラクター──理想主義的なウィム、強気な物言いのファーン、論理的なKB、純真無垢(じゅんしんむく)のニール──になりきるなかで、その違いを体得していった。
ウィムは初登場時、アクション・フィギュアで遊んだり、ストーリーパッドでジェダイの物語を見たりと、どこにでもいるスター・ウォーズ・ファンの子供たちと変わりない行動をとっている。
「ウィムは想像力豊かで冒険好きなんだ」と、この若き夢想家を演じるラヴィ・キャボット=コニャーズは言う。「大きなテストが近づいているんだけど、銀河のことで頭がいっぱいの子供にとっては、そんなのは、まあ退屈だよね」
ウィムは夢想家だが、そのことに加え、シングル・ファーザーとして彼を育てている父のウェンドルは仕事が忙しく、育児もままならない。
「彼のお父さんは仕事が超忙しい人なんだ」とキャボット=コニャーズは言う。ウェンドルが目を離したすきにウィムとその友人たちは子供だけで勝手なことをしはじめ、それが彼らを銀河の迷子にし、一生に一度の冒険旅行へといざなう。「ウィムは希望にあふれていて、勇敢で、みんなが共感できるキャラなんだ」とキャボット=コニャーズは加える。「そして、彼は何かの物語のヒーローになりたいと思ってる」
ライアン・キエラ・アームストロング──ファーン役
翻ってファーンは──まだ人生の模索の途中であるにもかかわらず──より自信に満ちた性格の持ち主だ。学校では優秀な彼女だが、本当に情熱を注ぎたいものはレース。
「ファーンは面白くて、しかも勇敢」とは、ファーンを演じるライアン・キエラ・アームストロングの言葉。アームストロングは完全に役に没入するため、セットに入る前に瞑想(めいそう)をするのだという。「彼女はスピーダーバイクに乗るのが好きで、少しおてんばなところがあるわね。彼女は、多くの期待を背負っていて、高い基準を満たす必要がある家庭で育ち、世界と自分との関係に悩み、自分が何者であるかを理解しようとしているの」
4名から成るアンサンブルとして彼らがセットに入った初日の撮影は、ウィムが森の奥深くで古代のジェダイ聖堂と彼が考えているものを発見するシーンだった。
「クールなのは、私たちがお互いに成長したということ」とアームストロングは言う。「このシーンを始めたとき、私たちは全員がお互いをあまり知らなかった。ストーリー上も、登場人物たちはお互いを知らない。そして、私たちは物語とともに成長して、今では特別な絆で結ばれているの」
4名の小さな俳優たちはインタビューの合間に、ハミルトンの詩句を順繰りに朗読したり、冗談を言い合ったりしながら、この新しいスター・ウォーズ・シリーズのプロモーションで再会できたことを喜び合っていた。
キリアナ・クラッター──KB役
例えば、アームストロングとクラッターの友情は、ファーンとKBの関係を越えて続いている。彼らは製作が終了した後も、お互いに助け合っており、ツーと言えばカーの間柄だ。
「KBはどちらかというとおとなしくて内向的だけど、心が広いの」とクラッターは言う。「彼女はグループの守護者であり、ファーンの親友」
キャスティング決定後、カメラ・テストに呼ばれたクラッターは、KBが常時装着しているバイザー(彼女にユニークな外見を与えている「増強装置」)をそのとき初めて目にすることになった。
「彼女には特別な能力があるの」とクラッター。「衣装を着て、髪を整えて、初めてバイザーを試着したときのことを覚えてる。バイザーはいろいろなタイプがあって、『ザル』を通して観てるみたいだった。中には本当に小さな穴があいているだけのものとか、あるいはまったく穴がなくて、ほとんど目の前にスクリーンを張られたみたいになるものもあった。初日は全然前が見えなかった! でもそのうち慣れてきたけど」と彼女は笑う。
ロバート・ティモシー・スミス──ニール役
グループの締めくくりは、長い鼻と垂れた耳の象を思わせる、新たなエイリアン種族の少年ニールだ。演じるロバート・ティモシー・スミスは、ニールが持つ不安感を見事に表現している。ニールも自分のコンフォートゾーン(快適な空間)から外れてしまった子供たちの一人なのだ。
「彼はとても怖がりな子供。本当はあまりそこにいたくないけど、友達をがっかりさせたくもない」とスミスは言う。「彼はグループの心といえる存在で、一番かわいいの」と付け加えるアームストロング。スミスもすぐにその言葉に同意する。
画面ではスミスの顔はアニマトロニクス製のニールの顔に隠れて見えないが、舞台裏での彼の演技は、モーションキャプチャー・カメラによってその動きが記録されている。
「役になりきるためレスリー・ゴーアの『サンシャイン、ロリポップス・アンド・レインボウズ』とかの、かわいい曲を聴くんだ」と彼は笑う。
毎週火曜日にディズニープラスで独占配信される『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』の最新エピソードに備えよう!
『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』に関してさらに詳しく知りたい向きはStarWars.comの以下の記事をご覧あれ。
- 『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』クリエイター・インタビュー
- 『スケルトン・クルー』ジョッド・ナ・ナウッド役ジュード・ロウ インタビュー
- 『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』のサーカス・ホログラム
Starwars.com 2024/12/9 の記事
筆者略歴
StarWars.comのチーフ・エディター、クリスティン・ベイバーは「Star・Wars:・100・Objects」や「The・Art・of・Star・Wars:・The・High・Republic」を始めとする数々の書籍の著者であり──そしてご存知の方もおられようが──「This・Week!・In・Star・Wars」の主催者でもある。その尽きることのない好奇心ゆえ、どんなときもあとひとつだけ質問したくてウズウズしてしまう、SF全般を得意分野とするナード(オタク)の彼女はサイ・スヌートルズの大ファン。ぜひInstagramにアクセスし、@KristinBaverをフォローしてほしい。