マンドーみたいに、ついこの間マッドホーンを倒した記念に新しいポールドロン(肩甲)を作ってみる? それともモーガン・エルズベスのようにライトセーバーに対抗できる槍が必要? あるいは『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)のストレンジャーのごとく、憂鬱なダークサイドにぴったりの不気味なマスクを所望? どうやらあなたの人生にちょっとばかり必要なのはスター・ウォーズの金属細工なのかも──ということで銀河一ホットなふたつの金属、コルトシスとベスカーを深掘り!
しかし、このふたつは何が違うのだろう? あなたに必要なのはどちら? では詳しく見ていこう!
現実世界における起源
マンダロアの鉱山で見つかった古いマンダロリアン・ヘルメット。
高純度ベスカーから作られたアーマーを装着したマンダロリアンのディン・ジャリン。この鎧は驚くべき防御力を備えている。
ベスカー:『マンダロリアン』(2019-2023)を観たことのある者なら誰でもベスカーの重要性がわかるはずだ。この金属は物語を通し、重要な役割を担ってきた。その起源を辿ると、1990年代の「Tales of the Jedi」シリーズのコミックスにまで遡ることができ、そこでは「マンダロリアン・アイアン(鉄)」という呼称で登場している。2006年の「スター・ウォーズ・インサイダー」誌に掲載されたカレン・トラヴィスの記事でこれに「ベスカー」という名が付けられ、『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2017)シーズン4第1&2話「マンダロアの英雄たちパート1&パート2」において初めて画面上で言及されることになる。同作では、サビーヌ・レンがはからずも「ダッチェス(女公爵)」と呼ばれるアーク・パルス・ジェネレーターを設計していたことが明かされる。そこでは、この超兵器がベスカーを過熱する機能を有し、ベスカー・アーマーを着用している者でさえも焼き殺す能力があることが語られる。
もっとも注目すべきは、ベスカーが『マンダロリアン』のそこかしこに登場していることだ。シリーズ初回では「クライアント」が謎の帝国製ベスカー・インゴットに言及するし、ディン・ジャリンのアーマーはシーズン1を通し、進化し続けている。
ストレンジャーのコルトシス・ヘルメットを手に持つオーシャ・アニセヤ。
惑星コーファーに現れたストレンジャー。
コルトシス:マイケル・スタックポール著の1998年の小説「I, Jedi」で初めて登場したこのユニークな金属は、後にジョン・ジャクソン・ミラーの小説「新たなる夜明け」でも言及され、読者はコルトシス製メッシュで強化された皮膚を持つ悪役サイボーグ、ヴィディアン伯爵に出会う。
より最近のものになると、『アコライト』第5話「夜」に、ストレンジャーのヘルメットとガントレットの重要な素材としてコルトシスが実写で初登場している。
物語内で描かれた特徴
アーマラーの鍛冶場。ベスカーのインゴットが溶かされている。
ディン・ジャリンのために新しいアーマーを鍛造中のアーマラー。
ベスカー:『マンダロリアン』でも確認できるように、ベスカーはデュラスチールよりも強力な素材だ。ライトセーバーの光刃をはじくほどの強度があるのだから! ベスカー合金はマンダロアの民が住む場所でしか作り出すことができない。それを生み出すにはクライオ=ファーネス炉──そしてさらにはマンダロリアンたちが長年固く秘密にしてきた技術──が必要だからだ。
ジェキ・ロンとの戦闘後、ヘルメットを修理するストレンジャー。
コルトシス:ベスカーとは異なり、コルトシスはとくに強度が高いわけではない。純粋な状態では簡単に割れてしまうのだ。これは『アコライト』でジェキ・ロンがストレンジャーのコルトシス・ヘルメットを破壊するシーンでも明らかだ。しかし、エネルギーを吸収、消散、伝達する独自の特性により、ブラスター攻撃やライトセーバーの光刃に対抗できる珍しいツールとなりうる。実際、コルトシスは意外なシールド能力を発揮する。接触するとライトセーバーを一時的にショートさせ、ジェダイを無防備にすることができるのだ。
物語内での使用例
ダークセーバーを振るうマンドー。
ベスカー:有名なダークセーバーのヒルト(柄)にまで使用されていることからもわかるように、マンダロアの文化にはベスカーがあたりまえのように顔を出す。ディン・ジャリンのアーマーの大部分はベスカーからできており、グローグーの鎖かたびらシャツもジャリンの(以前はモーガン・エルズベスが使っていた)ベスカーの槍を溶かして作ったものだ。さらに言えば、マンダロリアンが使う鍛造ツール(アーマラーが使用する磁気トングや重力ハンマー等)もベスカー製だ。
帝国はベスカーの重要性(およびその価値)を認識し、マンダロアを「大粛清」した際、その多くを収奪した。そしてそれを溶かすと、通貨として使用可能な帝国印が入ったインゴットを作成した。
ヘルメットを利用してライトセーバーの光刃を消すストレンジャー。
コルトシス:ハイ・リパブリック時代、ストレンジャーはコルトシスを利用したじつに印象的なマスクとアーム・ブレーサー(腕当て)を作っている。それゆえ、惑星コーファーの森で出会ったジェダイたちにとって、ストレンジャーはじつに恐るべき敵対者となった。
その100年以上後に勃発するクローン戦争では、コルトシスを使用したバトル・ドロイド、及び(オーダー66時に使用可能な)クローン・トルーパー・アーマーが開発されていたが、この計画はパドメ・アミダラ、アナキン・スカイウォーカー、コマンダー・スローンによって阻止されることになる。
悪名高い考古学者のチェリ・アフラもコルトシスに遭遇している。タッグ社がジェダイのライトセーバーを模倣したタッグ・プロトブレードという武器をコルトシスを利用して作ったのだ。
さて、あなたにぴったりなのはどちらのスター・ウォーズ金属だっただろう?
場合によりけりだが、強烈な強さ(および光沢仕上げ)をお探しなら、ベスカーがお勧めだし、巧の妙がお好みで、あまり出しゃばらないものがよいなら、コルトシスを試してみてはどうだろうか。
スター・ウォーズ金属についてもっと詳しく知りたいなら、現在ディズニープラスで配信中の『マンダロリアン』および『スター・ウォーズ:アコライト』をぜひご視聴いただきたい。
『アコライト』のメイキングに関し、さらに詳しく知りたい向きは、StarWars.comによる以下の記事をご覧あれ。
- アマンドラ・ステンバーグが『アコライト』にかける抱負
- 『スター・ウォーズ:アコライト』のジェキとヨードに愛をこめて
- 『アコライト』ショーランナー、レスリー・ヘッドランド・インタビュー
- ハイ・リパブリックのジェダイ、暗殺者のコスチューム
- 『アコライト』クリーチャー・ショップの秘密:ティナンの「追跡者」バジルとは?
- 『スター・ウォーズ:アコライト』魔女団の制作舞台裏
Starwars.com 2024/7/11 の記事
筆者略歴
ダスティン・ディールの仕事は通常、フォーチュン誌の「フォーチュン500」選定記事や「Out」「The Advocate」各誌等、メジャーな出版社での編集作業が多いが、彼が最初に恋したのはスター・ウォーズ。 愛犬と愛猫の世話でてんてこまいのダスティンだが、それでも彼は合間を縫ってなんとか良質のTV番組視聴にありついている。 X(旧Twitter)の@DRJediにアクセスして彼とオタ活動に勤しもう!