自由奔放でハチャメチャなデッドプール(ウェイド・ウィルソン)は、マーベル・ユニバースの中でも稀有なヒーローです。ウェイドは、お人好しだけど無気力でわがままな男ですが、誰かと一緒に戦う時には、多少マシになるはずです。今回は、マーベル・コミックでデッドプールが組んだ、最高のタッグチームをいくつか紹介しましょう。
子供時代のブルズアイ
子供時代のブルズアイ?子牛のカーフアイと言った方が適切でしょうか?違うって?どうでもいいことでしたね。読み進めてください。
思春期のブルズアイは、デッドプールとチームを組み、学校への反乱を起こします!ダニエル・ウェイ原作、パコ・メディナ作画の『DEADPOOL』に登場するブルズアイ少年は、学校でいじめられていました。しかし、心優しき少年たちよ、心配ご無用。デッドプールが助けに現れ、なんと学校を丸々燃やしてしまいます!
もしかしたらこの出来事は、すべて幻だったのかもしれません。相手は、あのデッドプール。真実は闇の中です。最終的には友にも敵にもなる2人ですが、この初めてのチームアップで、仲良く楽しく反乱を起こしたことは間違いありません。

『DEADPOOL VS. OLD MAN LOGAN(2017)』#1
ウルヴァリン/オールドマン・ローガン
どうもこの2人はお互いから逃れられないようです。少なくともウルヴァリンは、デッドプールから離れられずにいます。
お互いを愛して理解するには、耐え忍ぶべきことも多いでしょう。デッドプールとウルヴァリンの2人もまた、いろいろなことを耐え忍びながら、関係を深めていきました。ただ、その"いろいろなこと"とは、多くの人を巻き込んで傷つけることだったり、中途半端なヒーロー行為だったりと、少々問題のある行動ばかりです。『DEADPOOL VS. OLD MAN LOGAN』を読めばわかりますが、2人はそんな状況の中でも笑顔を絶やさず耐え忍んでいます。もちろん、笑っているのはデッドプールで、耐えているのはウルヴァリンですが……。
ちなみに、公式のカップリング名は『Poolverine』だそうです。くれぐれもファンアートを検索しないように。

『DEADPOOL VS. OLD MAN LOGAN(2017)』#1
ヘルカウ
かつて品評会で入選するほどだった、ベッシーという名前の乳牛の牧歌的な生活は、終わりを告げます。ベッシーはドラキュラに噛まれ、不死の吸血牛"ヘルカウ"へと変わり果ててしまったのです。それから300年が経ち、『DEADPOOL TEAM-UP』#885でヘルカウはキルゴア博士に捕らえられ、ミルク製造機としてこき使われていました。そしてデッドプールもまた、この邪悪な科学者のキルゴア博士に捕まってしまいます。
デッドプールはヘルカウを説得し、ともに決死の脱走を試みます。2人はさまざまな不運に見舞われつつも、最終的にはキルゴア博士を倒すことに成功しました。そして「モー」ではなく「ブルース!」と叫ぶのでした。

『DEADPOOL TEAM-UP(2009)』#885
ドミノ
お年寄りが折りたたみテーブルを囲んで、ドミノに興じることもありますが、デッドプールもドミノが大好きです。そう、あのドミノ、ニーナ・サーマンのことです。
プロの殺し屋であるニーナ・サーマンは、"ミュータント実験を受ける人生"はもちろんのこと、"傭兵としての人生"についてもすべてを知っています。『NEW MUTANTS』#98でデッドプールが危なっかしいデビューを飾って以来、ドミノは彼の数少ない理解者となりました。だからなのか、ドミノがデッドプールを一人前の大人として扱うことも多いのです。ジョークは痛みを隠すためのものだと、ドミノは知っているのです!
デッドプールの悪ふざけにノーと言えることは、ドミノの能力であり、だからこそドミノはデッドプールの相棒にぴったり。しかもドミノは時として、デッドプールお得意のきわどいジョークに、ほんの少し色っぽく応じることもあります。

『NEW MUTANTS(1983)』#98
ボブ(ヒドラのエージェント)
ボブは平凡な暮らしを求めていました。ポテトチップスを食べたり、芝生を刈ったり、妻とテレビを見て過ごしたり、そんな生活です。では、妻の望みは何だったのか?それは歯科保険です。かくしてボブは朝9時から夕方5時までという、ごく普通の勤務条件で、地元の犯罪組織ヒドラで働くようになりました。
デッドプールが求めていたのは、友達です。こき使ったり、責任をなすりつけたり、一緒にポテトチップスを食べたり、そんな友達です。では、その友達の望みは何だったか?えっと……友達?ウェイド・ウィルソンに友達などいたためしがありません。というわけでデッドプールは、アンチヒーロー的な冒険のついでに、一緒にチームを組む友達を探すことにしたのです。
『CABLE AND DEADPOOL』#38で仲間になったボブとデッドプールは、それ以来、あらゆる親友らしいことをしてきました。一緒に壊血病になって、恐竜たちとタイムトラベルをして、2人でズタボロになり、ドラキュラと戦い、そしてポテトチップスを一緒に食べました。デッドプールにとっては、これが親友らしいことなのです!

『CABLE & DEADPOOL(2004)』#38
スパイダーマン
この一方通行のロマンスには、コミックの夢が詰まっています。
もちろんピーター・パーカーはモラルのある立派なスーパーヒーローです。一方デッドプールは、ハルクがうっかり押し潰した一般人がどこの誰でも基本的には気にしないくらいのモラルの持ち主です。しかしここで重要なのは、この2人組から醸し出されるパワーと情緒の見事なバランスです。そしていろいろ浮き沈みはありますが、この親しみやすくて冗談好きのヒーロー2人は、お互いへのほのかな尊敬の念を長年にわたって育んできました。そうした2人の関係は、『SPIDER-MAN/DEADPOOL』を見れば一目瞭然。このシリーズの3人目の主人公は誰ですかって?タイトルの真ん中にある素敵なスラッシュです。

『SPIDER-MAN/DEADPOOL(2016)』#1
ケーブル
もちろん、デッドプールにとってのNo.1の相棒は、ケーブルのほかにいません。

『DESPICABLE DEADPOOL(2017)』#289
ケーブルことネイサン・サマーズとデッドプールのぶっとんだ関係は、長年にわたり数々のシリーズのベースとなってきました。この2人が味方であるか、それとも本気でお互いを倒しにかかっているかの割合は、せいぜい半々といったところですが、それでもこの2人から生まれる化学反応を誰も否定はできないでしょう。文字どおり時を超越するほどのストイックさを持つケーブルは、気持ち悪い顔のデッドプールを存分に引き立てます。そして、多くの読者が求める、"バディもの"の定番であるケンカも勃発します。ムキムキな胸筋と、巨大ベルトが好きな方には、うってつけのチームです。