変異体
マーベル・スタジオ最新作『ロキ』の第2話「変異体」では、未確認人物による時間変異取締局(TVA)を狙った犯行が激化する中、その追跡が課題となっていました。
前回、メビウス分析官はロキに、元のタイムラインに戻ることはできないと伝えました。しかし、悪戯の神を救い出すことはできなくとも、「救いよりもいいものを君に与えてやれるかも」と、とある条件を提案することに。
『ロキ』第2話「変異体」はディズニープラスで独占配信中。内容を振り返っていきましょう。
- オシュコシュ、ウィスコンシン州(1985年)
- ポンペイ、イタリア(79年)
- ロックスカート、ヘブンヒルズ、アラバマ州(2050年)
- ハンターB15
- レンスレイヤー裁判官
- メビウス分析官
- ミス・ミニッツ
- ハンターC20
- ハンターC90
新たなる目的を持った使命
ミス・ミニッツは、ロキにTVAの新人訓練用クイズを出します。例えば、「分岐イベントの枝がレッドラインを越えたら?」という質問。ロキは「分岐イベントをリセットできなくなる」と答えると、ミス・ミニッツは「そして時間軸が破壊され、私たちの現実が崩壊する」と、細かく説明。「彼女が録音でなく生か」を確かめるために(参考までに言うと、その両方とのこと)、ロキはメビウス分析官のジェットスキーの雑誌を使って、彼女を叩こうとします。
一方、メビウスとハンターB15は新たなTVAを狙った襲撃があったため、TVAの部隊を集めます。ハンターC20と彼女のチームが、1985年の分岐イベントに向かったあと、消息を絶ったのです。その場に残された一時的なエネルギーがロキの変異体であることはわかったものの、彼らの探す"変異体"なのかどうかはわかりませんでした。
事件のあった1985年のウィスコンシン州、ルネサンスフェアに向かう直前、メビウスとB15はチームで話していたことを、ロキにも共有します。TVAはこれまでどの変異体よりも "いくつもの"ロキを剪定してきたため、ロキの分身についての知識を蓄えていました。"変異体"は外見が大きく違うこともあり、パワーも違いますが、大抵は変身や幻覚、増殖の術を使うので、注意しなければいけません。
ミーティングが終わると、ロキはメビウスに、「私はまた魔法が使える」のに、彼らは自分が裏切ることを心配していないのかと尋ねます。それに対し、メビウスは「裏切ったらタイムキーパーに会えないぞ」と答えました。
その後もロキが単純な質問を聞いてくるので、メビウスは訓練用ビデオを見たのか問います。もしロキがちゃんと見ていたのなら、「変異体が初めて攻撃してきた時の直前に戻っては?」という疑問は浮かばなかったはず。他の部隊も、事件を起こした"変異体"が持ち去っている物についてのクイズを出します。それは「リセットチャージ」といい、分岐した時間軸の汚染範囲を剪定し、自然治癒させるものでした(TVAの"思想宣伝に嫌気が差す"訓練動画より)。
現場に到着した部隊は、同僚が倒れているのを目撃し、C20が人質に取られたことを知ります。そして"変異体"が状況をさらに激化していることを懸念しました。そこでロキは、TVAが"変異体"を見くびっていると指摘。彼は現場に残された「私らしい策略」を見逃していると語り始めます。アスガルドの諺「狼の耳あるところ、狼の牙近し」にたとえ、周囲に注意する必要があると続けるロキ。TVAもアスガルドの神々も同じで「力に溺れ、真実が見えない」、敵を見くびればやられるぞ、と大胆に主張していきます。彼は"変異体"の考えが理解できること、そしていまは神聖時間軸のしもべとして新たな目的を持つ者として、"変異体"を必ず捕まえる代わりに、保証を求めます。その内容は、任務後も自分が消えないようにすること、そして今すぐタイムキーパーと話せるようにすることです。
しかし、メビウス分析官はそれを嘘だと見抜き、部隊にタイムラインのリセットを命じてTVAに戻るように指示しました。
ロキを捕まえるための最初のレッスン
TVAに戻ると、レンスレイヤー裁判官がメビウスをオフィスに呼びます。部屋に多くの持ち帰ってきた覚えがない」"戦利品"があることに気づくと、レンスレイヤーは自分のために働く分析は他にもいると答えました。長年の友人である彼にドリンクを注ぎながら、彼の壊れたものに対する弱みが判断を曇らせていると指摘し、ロキを信用しすぎていることを懸念します。彼女曰く、ロキは「反抗的で頑固で予測不可能」で、神聖時間軸での役割は、嘘つきで悪の根源でしかない、と。メビウスは、その役に"飽きた"彼が変わることが可能かレンスレイヤーに問いますが、彼女は「タイムキーパーが認めれば変われる」と返します。タイムキーパーに会ったことのないメビウスは、彼女に彼らの様子をうかがいますが、「彼らは本件を注視している」としか答えてもらえません。そして、ロキと組むのはこれで最後だと、レンスレイヤーはメビウスに言い渡すのでした。
ロキに自分が役立つことを証明する最後のチャンスであることを告げると、メビウスは彼に「人生が懸かってると思え」と、"変異体"の事件簿の調査を命じます。それをくまなく読んで"ロキとしての見解"が分かったら自分の元へ来るように言いました。しかし、ロキはすぐに退屈し、時の始まりや終わりに関する全資料にアクセスしようとします。しかし、それらはすべて極秘で、彼がアクセスできる唯一のファイルは「L1130」……彼自身のものでした。そこから彼は、クラス7の災害にあたるラグナロクによってアスガルドが滅亡したという事件簿を見つけ、彼の故郷や民も失ったという事実に酷く動揺します。しかし同時に、その出来事で変異エネルギーが検出されていないことに気づき、彼は新しい仮説を試すためにメビウスの元へと急ぐのでした。
未来からのダークなお知らせ
メビウスに、"変異体"が災害に隠れていると話すロキ。訓練用ビデオでの学びから、「分岐イベントは、想定外のことをした時に起こるんだろ?」と振り返ります。その想定外のことはさらなる不測の事態を引き起こしそれが重なり時間軸が分岐する……つまり、既定路線が改変されると。そしてロキは、ラグナロクを比喩として使いながら説明していきます。例えば、彼が仮に滅亡前にアスガルドに行ったとしても、何だってできる、と。ハルクを虹の橋から突き落としたり、宮殿に火をつけることだってできる。なぜなら、彼が何をしようと、スルトがラグナロクを引き起こして全てが破壊される運命にあるため、時間軸は変わらない。もしあらゆるものが破壊される運命なら、時間軸は分岐もせず破壊されるため、そこに"変異体"が隠れている可能性が高いという仮説です。
これを証明するために、2人は79年のイタリア、ポンペイへ。メビウスは変異エネルギーと分岐イベントの兆候がないことを確認しようとします。そこで突然、ロキが街の広場で騒ぎ出し、街の人々に向かって自分は未来から来て、火山がすぐ噴火して全員死ぬことを告げました。しかし、彼が騒いでも変異エネルギーは検出されず、分岐もなし。彼が約束したように、仮説を証明したわけです。少なくとも、彼自身を信頼はできませんが、彼が"間違いが嫌いだ"ということは信用できます。
何のために戦うか
"変異体"の手がかりを掴んだメビウスは、隠れ場所の条件が突発的な自然災害の直前で、生存者がゼロである必要があることに気づきます。そしてロキをと共に調査を進めながら、彼を連れて少し休憩をとることに。そこでロキは、なぜメビウスがジェットスキーの雑誌を集めているのか尋ねます。歴史上の大概のものはバカバカしくいずれは廃れるが、ジェットスキーは様式美と機能美を兼ね備え、その美しさは否定できないものだと語るメビウス。しかし、TVAの者がジェットスキーで現れたら確実に分岐が発生するため、実際に乗ったことはないそう。メビウスはただ、戦う理由を思い出すために雑誌を読んでいるのだと話します。そして、TVAのものを信じるとかではなく、目の前のことを受け入れているだけだ、と。そしてTVAや自分を創ったのが"3匹の魔法トカゲ"であるという話を疑うロキに、ロキ自身の起源も同じようなものだと指摘します。
メビウスは、そういった自分の出自を掘り下げると、バカげた話に聞こえてくると言います。なぜなら、存在とは混沌であるから。それを理解するため、混沌の中で生まれた自分は、幸運であり、名誉ある目的を得られた、と。TVAは彼の人生で、彼が信じる限り現実なのです。
そこでロキは、過去も未来も決まっていて、自由意志がないのだとしたら、ある意味、自分とメビウスだけがTVAで自由な存在であると話します。つまり、「全てはどう終わる?」と、ロキ。メビウスは、TVAが神聖時間軸を守っている間、タイムキーパーたちが執務室にこもりたった一つのエピローグをまとめあげ、秩序だけが残り、静かに時の終わりがくると説明。秩序だけが残るなんて退屈だと言いながら、先ほど自分を「おびえた子供」と呼んだことを否定し、子供では知り得ていないことを知っていると話します。「本当の悪人はいない。本当の善人もいない」
しかし、このロキの言葉がメビウスにひらめきを与え、彼らは急いで事件簿の調査に戻ることに。"変異体"は犯罪現場であるフランスの大聖堂に手がかりを残していたのです。そして、"変異体"が隠れている場所を絞り込むための2つの要素が浮かび上がりました。誰も生き残らない自然災害と、数年間の間に地球の一部でのみ売られた菓子「ドッカーン」です。そして、ターゲットの居場所を見つけるために、この2つが重なる事件を割り出そうと、どちらが先に事件簿を洗い出せるか競争を始めます。
2050年のアラバマ州に目星をつけると、メビウスはレンスレイヤー裁判官に"変異体"がいそうな場所に完全装備の特別部隊を派遣するため、承認を頼みに行きます。彼女は彼の友人として、前回の任務で失敗したロキを信用しないようにと警告。しぶしぶ承認しますが、これ以上、彼女の手では助けられないとメビウスに注意するのでした。
クラス10の大災害
未だかつてないほど興奮しているメビウスに、ロキは"変異体"を捕まえられたら「タイムキーパーたちに会えるか?」と尋ねますが、「焦らず一歩ずつ」と返されてしまいました。
そして、B15が任務に備えて舞台を招集します。目的地はクラス10にあたる大災害の真っ只中、ハリケーンに襲われた民間人のための仮設避難所として使われている有名な巨大スーパー・ロックスカートの倉庫です。彼女は部隊に、これまでの襲撃でリセットチャージが盗まれていることに触れながら、チャージに注意するよう伝えました。
2050年のロックスカートに到着したB15と彼女の部隊は、人質と"変異体"捜索から始めます。B-15に命じられ、ロキは彼女と行動、メビウスは行方不明になったC20をハンターD90と共に捜索することに。ロキは2人の信頼を勝ち取ることを約束しました。
通路を注意深く見ていくと、B15とロキは、ツツジの買い物をしていると主張する民間人に遭遇。B15はその男に近づくと、男は彼女に触れたあと、その場で気を失います。そのとき"変異体"はB15の意識を奪って、ロキと対峙しました。一方、D90とメビウスは、C20を発見しましたが、ショック状態に陥った彼女は「あれは現実……」と何度も繰り返して声に出していました。そして、自分が"変異体"にタイムキーパーを見つける方法を教えてしまったことを明かします。
一方、ロキはB15に憑依した敵に、巧妙だが臆病なトリックだと煽りますが「TVAのために働くのも卑怯では?」と返される始末。ロキは自分のために働いていて、もう1人の自分をこんなふうに扱わないと腹立てながらも、タイムキーパーを排除するために優秀な「有能な右腕が欲しい」と、"変異体"に提案します。
"変異体"はロキに「ロキ」と呼ばれたことに嫌悪感を示し、10秒弱の検討後、その提案を断りました。TVAを支配することに興味がないと言うのです。
その後、別の人間に憑依し、ロキをノックダウンした"変異体"はついにその姿を現します。マントを外して明かした正体は、女性の姿をした"ロキ"でした。「あなたは眼中にない」と話す彼女は盗んだリセットチャージを起動させると、テンパッドから開いたポータルにそれらを転送していき、タイムドアを開きます。ロキは時間稼ぎに使われてしまったのです。
ロキが裏切ったと考えたメビウス、D90、B15は、ロックスカート内を疾走。 "変異体"が開いたタイムドアに向かうロキに「待て!」と叫ぶも、ロキはタイムドアを通ってしまいます。
一方、TVAでは"変異体"が神聖時間軸を爆破したことで、一度に複数の分岐が発生。警報が鳴り響いていました。
永遠に時を。いつでも。
『ロキ』第2話「変異体」まで視聴した皆さんから寄せられた見どころをご紹介します!
TVAに連れてこられた時のロキがここはなんなんだと不信感を持ちつつ、TVAの指示に従うのがおもしろい!署名したり、文句言いながらチケットを受け取ったり。前の人がチケットなくて溶かされた時にチケット見せるのも何だか子供みたいでおもしろかった。 インフィニティ・ストーンを見たときのロキの表情がめっちゃおもしろい。 TVAで変異体として仕事をこなそうとするロキもおもしろい。真面目に捜査してる感じなのが、普通に現代にロキがいたらこんな感じなのかなと思うとおもしろい。しかも、悪さに賢さを使ってたロキが良いことに頭を使ってて捜査員として有能なのが楽しい。ロキいたずらもTVAでは魔法も使えないし、そこらへんのいたずらっ子みたい! まだ途中だからもっと見たくて楽しみに待ってます♪
にこ さん(20代女性)
ロキの可愛らしい部分が全面に出ている作品だと思いました。 特に思ったのは、ロキが新しい衣装を着用した時に「どう?」と相手に感想を求めたところ。 自信家な彼らしさと、ビジュアル的に完璧すぎる彼(トム・ヒドルストンがカッコよすぎること)にちょっと悔しささえ覚えましたね。 それと話が戻りますが、1話でロキが自分の最期を目の当たりにするシーン。 なんだかんだで、彼も死ぬのは怖いのだなと心のどこかで安心した自分がいました。 そして、ロキの兄や両親に対する愛は本物なのだなと思いました。
よしの さん(20代女性)
このドラマの世界観を視聴者に理解させる事と面白い物語を作る事の2つを見事に両立させ、丁寧に作られている印象を受けました。これでもかという程の複雑な設定をアニメーションと饒舌な解説によってわかりやすく視聴者に提示させ、主人公のロキと一緒に冒険するようなワクワク感と展開の早い物語の構成が魅力的です。
コメンテーターけいちゃん さん(20代男性)
メビウスとロキの関係性が気になりすぎる!!かつて、こんなにロキを受け止めて、ロキが懐いたキャラクターが居ただろうか…… 今後の展開が気になります!!
ねこくろ さん(20代女性)
今後のMCUにかなり影響してくるドラマ!悪戯王子ロキが巧みな話術で人を惹き付けやりたい放題…とはいかず、組織に入ってお仕事体験のようなことをしているのが可笑しくて可愛らしい^^ 1話で人生のベスト盤を観ているときのロキが今までのシリーズでは観られなかった表情でとても苦しくなりました…。
自分の都合の良いほうにコロコロと転んで行くので敵か味方か嘘か真実か、まだまだなにもわからないけどそれが魅力的で面白い!
今までのMCU作品のパロディやオマージュが所々に散りばめられていてワクワクする! ロキのバトルシーンを存分に見られるのも楽しみの1つ♪ トリックスターロキの今後の活躍が楽しみです!
かなちゃん さん(20代女性)
『ロキ』はディズニープラスで独占配信中!