もしも、ロミオがジュリエット以外にも恋をしていたとしたら?本作『ロザライン』(2022)は、シェイクスピアの古典演劇「ロミオとジュリエット」に登場する脇役を"主役"にして、この不朽のラブストーリーをコミカルに描いた作品です。
20世紀スタジオが贈るこの痛快な作品は、ジュリエットのいとこで、ロミオがそもそも恋をしていたロザライン(ケイトリン・デヴァー)の視点から語られています。ロミオ(カイル・アレン)がジュリエット(イザベラ・メルセド)に出会い心変わりしてしまったことで傷ついたロザラインは、かの有名なロマンスに逆らい、彼を取り返すための計画を立てるのです。
本作は、アメリカではHuluオリジナル作品として、南米ではStar+において、またその他の地域ではディズニープラス内のStar作品として大好評配信中です。
(本作品には、強い表現や大人向けのテーマが含まれますので、成人による視聴が推奨されます)
オンラインで行われた制作会見において、監督カレン・メイン(『ストレンジ・フィーリング アリスのエッチな青春白書』監督・脚本)と主要キャストたちは、悲劇のラブストーリーに、いかにユーモアと現代の感覚を盛り込んでいったのかを話してくれました。
オリジンストーリー
レベッカ・セルレの小説「When you were mine(原題)」を、『(500)日のサマー』(2009)の脚本家スコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバーが脚色したこと、そして主役をケイトリン・デヴァーが演じるということが、監督にとって非常に魅力的だったようです。
「脚本が送られてきて、ケイトリンが主役を演じることに乗り気だと聞いたんです。私は彼女のことも、彼女の作品も大好きです。ものすごく一緒に仕事がしたかった。また、脚本を読んでみると素晴らしくて、とにかく楽しい作品でした」と、監督は語ります。
さらに、「古典的なルネッサンス時代を舞台に、現代語を使い、現代の感覚やテーマを用いるというアイデアは、古いものと新しいものが見事に並列に並んでいて、私の中で、コメディとして成り立っていましたし、輝いていたんです」と、続けました。
ケイトリン・デヴァー(『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』(2021))にとって、そのキャラクターを"どんなふうにもできる"ことが、とくに"ワクワクするヴィジョン"だったと言います。
「監督のカレンと一緒に作り上げたキャラクターは、いろんなやり方で追究できると感じていました。この役柄は本当に楽しめました。私は、主人公の決断力や怖いもの知らずなところや活力に感謝して称賛する気持ちでしたし、自分がコメディを演じているということにも、そう感じていました。楽しんだり、時にはとんでもないことをしたり、皮肉っぽいことをしたり、キャスト皆でふざけてみたり、そういったことを自然にやっていました。本当に、本当に楽しかったです」
オンライン会見の間にも、彼らのユーモアは伝わってきました。監督、ケイトリン・デヴァー、カイル・アレン、イザベラ・メルセド、ミニー・ドライヴァー(看護師のジャネット役)、ショーン・ティール(ダリオ役)そしてスペンサー・スティーブンソン(パリス役)が参加していました。
2ヵ月間にわたりイタリアで撮影した本作品に携わったことで、スペンサー・スティーブンソンは、いくつか初めてのことを経験したようです。まず、初めてディズニー作品で演じたこと、初めてシェイクスピア作キャラクターを演じたこと、そして初めてアメリカの外に出たのだと話しました。
「この役に決まったとき、パスポートを持っていなかったんです。でも1週間後には現地にいなきゃならなかった。木曜にパスポートができて、土曜に飛行機に乗ったんです。緊張感がありますよね。すごくワクワクしていました。パリスは自分にとても似ています。遊びでドレスアップを楽しんでる感じでした。それは本当に楽しかったです」
(パリスがパーティのシーンで着ている、ちょっと変わったマントをお見逃しなく!)
劇作と同様に、パリスは伯爵で、ジュリエットの両親が娘を結婚させたいと思うような将来有望な人物ですが、本作では、ロザラインのロマンティックな計画の一部として、彼らに紹介されています。
キャラクターの再現
本作品において、ロミオはやはり恋愛主義のティーンエイジャー。しかもちょっと行きすぎなタイプです。
「ロミオは小枝にだって恋するタイプだよ」と、『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)でバルカン役を演じていたカイル・アレンは言い、それにはキャスト陣からも笑いが漏れていました。
「恋愛というもの、その概念に取りつかれてるような男なんです。それが彼の人格すべてという感じ。恋愛しかしてない」
一方、ジュリエットはまだ幼さの残るタイプですが、強い自意識との間でバランスを取っています。この象徴的な役のオファーが来たとき、イザベラ・メルセドは喜びとともに驚いたようです。
「私はこれまで、わがままで独立心の強い、ジュリエットとはまったく違うキャラクターを演じてきたんです。でも、フェミニズムや女性らしさとは真にどういうものなのか、ということの二面性を、ロザラインとジュリエットは見事に体現していると思います。強くもあり、センチメンタルでもセンシティブでもあり、それでも独立した女性である、ということです。反逆心と優しい心の2つの面を観られるのはステキですよね」
ジュリエットの看護師として脇を固める役柄も、現代風に変更が加えられており、それを演じたのは、アカデミー賞®とエミー賞®のノミネート経験もある、ミニー・ドライヴァーです(『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『スプリング・ガーデンの恋人』(2003))。
「私は、演劇学校の「ロミオとジュリエット」でいつもこの看護師役をやっていたんです。退屈で年寄りで、最悪の役柄です。でも、この作品ではとても若々しくて、活気にあふれていて、ものすごく面白いんです。ステキなキャストたちに囲まれて、この作品の一部になれることにワクワクしていました」
そして最後は、ショーン・ティール(TVシリーズ『リトル・ヴォイス』)演じる新キャラクターであり、恋の相手となりそうなダリオです。
ネタバレしないように気をつけつつ、この役柄の魅力を語ってくれました。
「僕がダリオの魅力だと思うところは、他人にどう思われるか、他人の目にどう映っているかを気にしないところですね。ある意味信用できる。僕自身はそういうタイプじゃないんですが、ダリオはあの時代の男にしては、ずいぶん進歩的なタイプだと思います」
本作『ロザライン』の製作は、ショーン・レヴィ、ダン・コーエン、ダン・レヴィン、そしてケイトリン・デヴァー。そして製作総指揮として、スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー、ホイットニー・ブラウン、エミリー・モリス、ベッカ・エデルマンが名を連ねています。
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D23:The Official Disney Fan Club.
(https://d23.com/disneyplus/)
*本記事の作品公開年はDisney+に記載の公開年を記載しています(2022年12月11日現在)

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