1951年、ディズニーの代表作である長編アニメーション映画『ふしぎの国のアリス』は公開されました。カラフルな映像、記憶に残る歌の数々、原作小説の魅力を引き継いだキャラクターたち…この映画が多くの人に愛されてきたこともうなずけます。
今回は、そんな『ふしぎの国のアリス』にまつわるトリビアを集めてみました。
【1】原作が2つある!?
『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』。
ルイス・キャロル原作の二つの小説から、この作品は生まれました。
双子のトゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムは、実は『鏡の国のアリス』に登場するキャラクターなのです。
【2】最初は実写映画での制作が予定されていた!?
長年、キャロルの名作をもとにした作品を作りたいと思っていたウォルト・ディズニーは、長編アニメーション映画の制作を考え始めます。その時の構想はメアリー・ピックフォードを主役に、実写とアニメを組み合わせるというものでした。
1945年には、ジンジャー・ロジャースが主演することになったと公表されます。
しかし、1946年にウォルト・ディズニーは、この映画を全編アニメーションで作る決心をしたのでした。
【3】動きのモデルが存在する!?
『ピーター・パン』など、いくつかのディズニー映画と同じように、『ふしぎの国のアリス』も、実写を参考に描かれたシーンがいくつかあります。
アニメーターたちは演技をする役者の動きを元に、キャラクターの下絵を起こしたのです。
この手法は1940年代後半より、すべてのディズニー映画で用いられることとなります。
【4】マッド・ハッターはエド・ウィンにそっくり!?
マッド・ハッターをデザインしているとき、アニメーターたちは彼を演じている俳優のエド・ウィンからインスピレーションを受けました。見た目が似ているのはもちろん、エドの即興の動きを元に作られたシーンもあるほどです。
【5】アリスとウェンディは同じ声!?
『ピーター・パン』に登場するウェンディ・ダーリンとアリスの声が似ていると思ったことはありませんか?実は、ふたりとも同じ声優のキャサリン・ボーモントが演じているのです!
キングダムハーツシリーズに登場するアリスとウェンディもまた、彼女の声があてられています。
また、キャサリンはアリスとウェンディの動きを描くときに参考となる、実写モデルとしての役割も果たしていました。
【6】チェシャ猫が歌うのはルイス・キャロルの有名な詩!?
チェシャ猫は作中で、キャロルの最も古い詩集に登場する一節を歌っています。その詩は1855年に発表され、原作である『鏡の国のアリス』にも収録されたものです。
実は、映画にはもともとその詩を元にしたシーンが存在していました。しかし、制作の過程でまるまるカットすることに。そこで、その詩の一部を「トゥワズブリリグ」の歌詞として採用することになったのでした。
【7】30曲以上がボツになった!?
歌に関するこぼれ話をもうひとつご紹介しましょう。
『ふしぎの国のアリス』のために、たくさんの楽曲が制作されましたが、そのうちのほとんどが作中で使われることはありませんでした。ボツになった作品は30曲以上にのぼるとされています。
しかし、メロディーだけ採用された曲がふたつあります。
「ワニをひやかすな」と「右から2番目の星」。
そうです、どちらも『ピーター・パン』の公開によってはじめて、日の目を見ることができたのでした。
【8】本を開くシーンからはじまらない、初めての映画だった!?
それまで、古典作品を原作とした『眠れる森の美女』、『白雪姫』、『ピノキオ』などの作品は、物語の本を開くシーンから映画がはじまります。
ところが、『ふしぎの国のアリス』は違います。ビッグ・ベンが一番はじめに登場しています。
いかがでしたか?
『ふしぎの国のアリス』には、たくさんの秘話があったのですね。
あなたが気になるトリビアはありましたか?実際に、映画を観て確かめてみましょう。