ピクサーファンが、この夏待ち望んでいることといえば、6月18日にディズニープラスで独占配信が始まる、映画『あの夏のルカ』ですよね!
これは、好奇心旺盛でシャイなシー・モンスターの少年、ルカの物語。彼は家族、他の生き物たちと一緒に、イタリアの小さな港町の近くの海底で、敵対する人間たちから隠れるように暮らしています。ある日、ルカは同じシー・モンスターのアルベルトという名の少年と出会い、自分自身についての驚きの事実を知ります。なんと、水の外に出ると人間に変わるのです。2人は美味しい食べ物を食べたり、自転車に挑戦したり、いたるところで初めての経験をし、忘れられない夏を過ごすことになります。新しい世界への好奇心、そして自ら新しい世界へ飛び込み、人間の暮らしを知る2人。アルベルトは、ルカへいろいろなことを教えてくれます。恐れる気持ちを抑えること、新しいことに挑戦すること、出会う人たちを信じること、そして何より大切なことは自分自身を信じること。そうしている間も彼らはずっと、シー・モンスターであることがバレないように気を付けていなければならないのです
『あの夏のルカ』で主人公ルカを演じるのはジェイコブ・トレンブレイ、アルベルト役にはジャック・ディラン・グレイザー、情熱的なジュリア役はエマ・バーマン。エマは冒険好きで誠実な彼らの新しい友達です。
エンリコ・カサローザ監督(ピクサー短編作品『月と少年』監督)と、アンドレア・ウォーレン製作(『南の島のラブソング』『カーズ/クロスロード』)によるこの映画の舞台は、監督の故郷にインスパイアされ描かれた、イタリアの小さな海辺の街です。カサローザ監督はイタリアの豊かな文化と美味しい食べ物、ジェラート、そして美しい浜辺に囲まれて育ちました。だからこの映画は美しい景色、人々、美味しい地元の食べ物、そして真っ青な海を描いた、豊かで活気あるシーンで満ちているのです。
この作品は、カサローザ監督の子ども時代と、実際の友人アルベルト(ルカの友人として彼の名前を使ったのです)に着想を得ました。のちに親友同士になるとは思えない2人でした。
「僕の親友のアルベルトはちょっと問題児、一方僕は内気で自分の殻に閉じこもってた。これ以上ないくらいに違うタイプの2人だったんだ。つまり、僕らはちょっと"よそ者"みたいな感じだったから、周りと違っていて、いい子どもではなかったことが、シー・モンスターで表現することでしっくりいったんだ」と言って笑います。
「アルベルトは僕を楽な場所から出させようとしたり、何度も崖の上に立たせようとしたんだ。それは、比喩だけじゃなくね。もしも夢を追うことを彼から学ばないでいたら、今僕はここにいないと思うよ。この作品で伝えたかったのは、そういう深い友情なんだ。それが本作のポイントだよ」
それから、この映画に影響を与えたものは、龍の物語や、海賊から村を守ったベルを鳴らすタコの話などのイタリアの古い神話や民話でした。「物語は漁師が作り上げたものもあるよ。良い漁のポイントを見つけると、それを他の漁師に取られないようにしたんだ」
友情に加え、この作品のメッセージとなっている"受け入れる気持ち"、他人に対してするのと同じ様に、自分自身を受け入れることは、とくにこの時代において価値ある重要なメッセージです。ストーリーを知ってすぐにこの作品に引きつけられたという、製作のアンドレア・ウォーレンはこう話します。
「シー・モンスターっていうメタファーが、いろいろな表現に使えるっていうアイデアが、ずっといいなと思ってました。心をオープンにすること、自分自身を見せ、周りの人たちと自身を受け入れることがこの作品のテーマです。シー・モンスターが、彼ら自身も気づいていないことがあるっていうことに直面します。彼らにはひとつの物の見方しかない、レンズがひとつなんです。だから、それは正しくない、もっと知るべきことがあるっていうテーマはいいなって思いましたね」
監督もそれに同意し、こう言います。
「シー・モンスターが、"違和感"に対するすべての姿勢にとってメタファーになればいいなって、僕らは思ってる。10代でも10代以前でも、"違い"を感じるすべての時代で。もっと知るべきことがあるということと、まずは自分自身を受け入れるということについて語るのに、シー・モンスターはとてもいい方法だって感じたんだ。どんなふうに違いを感じていようとね」
パンデミックの最中にこの製作を進めることは、簡単なことではありませんでした。作業するごとに、これまでにない問題に直面することになりました。
「2020年の3月にオフィスから帰宅したときに、1年以上も戻れなくなって、すべてのシーンを家で作業し作品を仕上げることになるなんて、思いもしませんでしたよ」とアンドレア・ウォーレンは言います。「その状態が始まったとき、これ、できるの?自分たちのパソコンで?アニメーション制作は?録音は?って思いました。素晴らしくも、奇妙な体験でしたね」
やがてチームは、新しく制作された技術を使った工夫で、それができるということを知ります。
「全員、家から録音したんです。ほとんど、家のクローゼットからね。みんな楽しく度胸があって、おかしな状況でも進んでうまくいかせようとしていました。創意工夫も楽観性もユーモアも忍耐も、いつも以上に必要だった。このチームのみんなには頭が上がりません」
ピクサーといえばその見事なまでのリアルな映像ですが、今回監督がこだわったのは、『月と少年』で彼がやったような、作品を通してアーティストの手仕事を感じさせることでした。
「コンピューターを使えば、ある種の輝きや完璧さがある。でも、僕はそもそもスケッチ好きな人間なんだ。だから、手仕事だからこそさらに高まるような表現をしようと思ったんだ。何かのエネルギーが感じられるはずだよ」
アンドレア・ウォーレンもこう言います。
「この作品をほとんどストーリーブックのような味わいにしたいっていう監督のヴィジョンに、完全に同意したわ。なんてステキな表現だろうって思ったの。『月と少年』も大好きだし、あの繊細さでこの映画を描くアイデアを最高だと思いました」
友情が持つ力のほかに、この映画から観客に感じ取ってほしいものを監督に尋ねると、 "不可能だ"という声を無視することが、もっとも大切なことだと言います。
「そんな声は聴く必要はない。そういう見方があるのは、みんな分かってるんだ」アカデミー賞ノミネート経験のある映画監督の彼でも、彼自身の中にある、そんな声と闘っていると言います。「自信のない不安な声を、僕は毎日のように聴いてる。周りから過大評価されることでみんなをだましているような気になる、インポスター症候群っていうものなのかもしれないな」
年齢や出自(それが陸だろうと海だろうと)に関係なく、不安と闘っていない人はいません。でも、エンリコ・カサローザ監督は、そういう自身の内なる不安を黙らせてくれる友人を持つことが、一番貴重なことだと言います。「子どもたちにはそれを胸に刻んでほしい。"できるよ"と言ってくれる友人を周りに持つことだよ」
『あの夏のルカ』は2021年6月18日からディズニープラスで独占配信中。

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