ディズニー/ピクサーの最新長編映画『ソウルフル・ワールド』が、2020年12月25日からディズニープラス限定で配信開始となります。ジェイミー・フォックスが声優を務める、この物語の主役ジョー・ガードナーはプロのジャズミュージシャンになることを夢見る中学の音楽教師。大きなチャンスをつかんだかと思われた矢先、まさに悲劇の第一歩。魂<ソウル>の世界へと送られてしまいます。そこは、ソウルたちがそれぞれの夢や人格、個性を形成するところでした。22番(声優はティナ・フェイ)という名前の、長年その場所にとどまっている、冗談好きなソウルの助けを借り、ジョーは長年の夢を実現させるため、どうにかして地球へ戻る方法を探るのです。
2020年9月中頃、アカデミー賞受賞監督/脚本家であるピート・ドクターと、プロデューサーのダナ・マーレイ、ケンプ・パワーズらはD23スタッフをバーチャル・プレスデーに招き、配信開始前のこの作品について話してくれました。
【1】人生とは存在意義を感じること
誰もがそうであるように、ピート・ドクター監督の人生にも良い時と良くない時があるようです。
「時々こう思う時があるんだ。"マンガ?限られた人生でこれが本当に俺がやるべきことなのか?"ってね」彼はそう認めています。「もっと落ち込んだ時は"これをやっていることに意味はあるのか?もし選べるとしたら、生まれてくるんだろうか?"って思う。それがこの物語の土台になっているんだよ。作品の中で、生まれたくないと思っているソウルは懐疑的に地球を見ていて、こう言うんだ。"生きることに本当に意味なんてあるの?"って。このソウルに、意味はあると思わせるために、"実際に生きているキャラクターを登場させて、人生の素晴らしさを伝えさせよう"ということになったんだ」
監督は、この作品は他のピクサー作品同様、トロイの木馬のようなものなんだと言います。それを踏まえることで、制作チームは、ユーモラスでありながらも"深みのある何かを伝える"というストーリーを展開させることができたのです。彼はこうも言います。
「4、5年かけてこれを制作するなら、ワクワクするやり方のほうがより深く向きあえる。われわれは、われわれ人間が直面する事柄、つまり喜びや成功、悲しみや挫折を扱おうとしているんだ。ピクサー映画はそういったことを描いている。それが魚や虫を通してだったりしても、それが何であれ、すべて人間のことなんだよ」
【2】独自に展開するストーリー
この作品は"大きな疑問"をいくつか扱ってはいますが、2015年、ピート・ドクター監督が、11才の女の子の頭の中で起こっていることを描き、オスカーを受賞した長編作品『インサイド・ヘッド』とリンクさせたものではないそうです。
「この作品がじつは『インサイド・ヘッド』の続編なんだっていうネットの意見を増長させないようにしよう」そうケンプ・パワーズは言っています。「続編じゃないよ!」監督もそう声をそろえます。「制作当初、その2作品の類似性には気付いていたよ。じつを言うと、そうならないように意識してた。同じものを創作するのはイヤだったからね。だから多くの点で異なっているよ。でも、似ている事柄を掘り下げているね」
【3】新しい世界を描くということ
制作スタッフはこの作品が、地球と魂<ソウル>の世界のふたつを公平に描くものになると想定していましたが、それぞれの場所が独自の見た目、雰囲気、音の世界を持っていることに気付きます。
「魂の世界は技術的にも芸術的にも本当に大変だった。だって、創作している世界は、きっとこんな感じだろうっていうアイデアしかない、行ったことのない世界なんだから」ダナ・マーレイはそう言います。そしてこう続けました。「楽しかったけれど、われわれアーティストや技術チームにとってはとてつもなく大変な作業だったの。それから、ニューヨークを描くのもそれはそれで大変だった。だって、誰もが知っていて誰もが大好きな場所だから。でもそこでやりたかったのは、私たちのスタイルをちゃんとその場所に反映させることだった」
【4】中心となるブラックカルチャー
制作スタッフは文化・音楽に詳しいコンサルタントチームを招集しました。そこには、ピーター・アーチャー博士、ジョン・バティステ(作曲家)、クリストファー・ベル博士、テリ・リン・キャリントン、ジョンネッタ・コール博士、ダヴィード・ディグス(ポールの声を演じています)、ハービー・ハンコック、マーカス・マクローリン、ジョージ・スペンサー、クエストラブ(カーリーの声を演じています)、そしてブラッドフォード・ヤングと、さまざまな分野の人たちが入っていました。ピクサー映画初の黒人の主人公であるため、そのキャラクター、そして黒人文化を正しく理解し扱うことが不可欠だったのです。監督はこう話しています。
「映画製作者としてわれわれがしたかったのは、その文化への知識を求めること、全員がつながり、"生きるとは何か?"という土台となる共通点を見出すことでした。これだけ長い間実現できなかったというのは恥ずべきことだけれど、この作品でこの機会を持てたことに、われわれは興奮したんです」
ケンプ・パワーズは、アカデミー賞ノミネート経験もある撮影技師のブラッドフォード・ヤングについて話してくれました。
「彼はこの作品のビジュアルに本当に尽力してくれた」とくに地球で展開されているシーンについては、「黒人が主人公の映画が初めてなわけじゃない。でも黒人のキャラクターも幅広く、肌の色のトーンもそれぞれなんだ。ライティングのチームにとって、大きな勉強になったよ。ブラッドフォード・ヤングが参加してくれ、多くの場面でチームのみんなにアドバイスをくれた」
【5】音楽に引きこまれてほしい
本作品『ソウルフル・ワールド』における世界を描くのには、ふたつの異なるスタイルの音楽が必要でした。ジョン・バティステがオリジナルのジャズ構成とアレンジを手掛け、オスカー受賞者であるトレント・レズナーとアティカス・ロス(ナイン・インチ・ネイルズ)のコンビが現実世界と魂の世界のはざまを表現したオリジナル曲を書きました。ピート・ドクター監督はジョン・バティステを、"最高に物知りな音楽学者であり歴史家というだけでなく、最高にイイ奴"と評しています。
監督はまた、サウンドデザイナーのレン・クライスがトレント・レズナーとアティカス・ロスのふたりを売り込んできたという話をしてくれました。スタッフたちはその提案に、興奮と同じくらい困惑したと言います。
「"そんなのクレイジーだよ。合うわけない"って最初は思ったんだ。でも、あまりに面白そうで不採用にできなかった。他のアイデアを考えては、結局そのアイデアに戻ってくるっていうことを繰り返していたよ。彼らに会ってみて、彼らはこの作品と、本当に荒っぽいやり方で調和するような気がしたんだ」
ピート・ドクター監督によると、トレント・レズナーとアティカス・ロスのふたりとは、これまでとはちょっと違うやり方で作業したんだそう。
「われわれはたいてい画を決めてから、音楽作りを始める。でも彼らは、われわれがシークエンスを区切っている時に、テーマの展開作業を始めていた。彼らがいろんな楽曲をどんどん送ってきて、われわれはその中から"ちょっと待って、それ!この部分にぴったりなんじゃないか!"という感じで作業していったんだ」
いかがでしたか。
本作品制作の約5年間、スタッフが取り組んだ挑戦が伝わったでしょうか。今年の冬は、家族みんなで、偉大なる魂<ソウル>の世界を冒険してみてください!
D23:The Official Disney Fan Club.

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