テレビ番組や雑誌などで映画コメンテーターとして活躍するLiLiCoさん。作品への愛に溢れるコメントは、多くの方からの共感を生んでいます。
いつも明るくパワフルなLiLiCoさんの元気の源は、"人生に役立つヒントを運んでくれるエンタテインメント"だと語る「映画」であることは間違いなさそうです。
そんなLiLiCoさんがおすすめするディズニー映画をご紹介。映画からの贈り物をぜひお楽しみください。
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スウェーデンではドナルドダックが大人気!
日本ではミッキーマウスが大人気ですが、私の生まれ故郷スウェーデンでは何と言ってもドナルドダック。1948年9月に創刊したドナルドダック専門のコミック週刊誌「Kalle Anka(カッレアンカ)」(スウェーデン語でドナルドダックの意味)はいまも大人気です。
1948年当時に60オーレ(約9円)で販売されていた「カッレアンカ」は、現在、未開封状態で17万クローネ(約238万円)の高値がつくほど。子どもはみなそのコミックを読んで育ちますので、スウェーデンで読んだことがない人はまずいないでしょうね。里帰りするたびにこのコミックをキオスクで買いますが、電車の中で読む人も多く見かけます。
グッズのいちばん人気もドナルドダック。スウェーデン人は、いい人すぎるミッキーより、ちょっと皮肉屋で、わがままなドナルドの方を好むんです。いたずらっ子なドナルドの三つ子の甥、ヒューイ、デューイ、ルーイも人気です。
先日ふと気づいたのは、日本では「ドナルドダック」のシリーズに登場するヴィランズがあまりメジャーではないこと。コミックに登場した魔女のマジカ・デ・スペルは、本当にディズニーに詳しい人ですら知らないキャラクターでしたから。
一番左の黒髪がマジカ・デ・スペル /「ダックテイルズ」シリーズ(1987)
スウェーデンで毎年クリスマス・イブに放送されるディズニー番組
さて、前置きが長くなりましたが、スウェーデンでは、毎年クリスマス・イブの午後3時に、必ずドナルドを冠にした1時間番組「カッレアンカ」が放送されます。番組が始まった当時から、ドナルドをメインに据えて、ディズニー・アニメーションの名シーンを紹介したものを放送しています。それを家族、親戚揃って見るのがスウェーデン式クリスマス・イブの過ごし方。この時間に街を出歩くスウェーデン人はいません。
だからディズニー作品の名場面に流れる音楽は、私にとってはクリスマスソングなんです。『わんわん物語』(1956)の名シーン、レディとトランプが一緒にスパゲティを食べるそばで、イタリアン・レストランの主人がアコーディオンで歌い上げる「ベラ・ノッテ」もそのひとつ。
赤と白のテーブルクロスにキャンドルが乗っているレストランがまた素敵で、私にとっては大人の恋人たちのイメージでした。自宅で開くホームパーティに、必ず赤と白のテーブルクロスを用意するのも、この名シーンに影響を受けています。なんとなくメロディが聞こえてくるような気がしませんか。
クリスマスになると、ミートボール・スパゲティが食べたくなるのは言うまでもありませんし、こんな素敵なことが起こるといいなぁと思ったり…。まぁ49年間生きてきて一度も、誰かと同じお皿で一本のスパゲティを両端から食べたことはありませんし、あんな素敵なキスをすることもないんですけど(笑)。
昔懐かしの温かみが詰まった『わんわん物語』
毎年のように見た『わんわん物語』。オープニングの家々もシンプルなのに、雪の中から暖かさを感じるし、クリスマスっていいなぁとふわふわした気持ちになります。技術には代えがたい、昔懐かしの温かみがあるディズニー・アニメーションの名作です。
レディが飼い主のディア家に来た時のエピソードは、新婚のウォルト・ディズニーが妻リリーに帽子の箱に入れた子犬をプレゼントした実体験がモデルになっているそうですね。スパゲティを食べるシーンにウォルトは反対していたそうですが、完成したシーンを見て考えを変え、結果的に歴史的名シーンになったとか。そんな一つひとつがまた伝説として伝えられるのもファンには嬉しいところです。
レストランの場面から一転、コーラスが聴こえる公園のシーン。世界で一番ここが幸せな場所だと表現する、ロマンティックな流れも素晴らしかった。ラブストーリーにはよくある話ですが、裕福な人と恵まれない人が一緒になるストーリーも私には響きます。実は、私の母が日本にいた頃、家族に反対されて身分違いの恋人を諦めたそうなんです。その後、スウェーデンに渡った時に父に出会った。
他にもこの作品には人生に役立つヒントがたくさんあるんですよ。
例えば、トランプのこと。彼は、野良犬として暮らしているけれど、周りの犬たちや人にも慕われています。それはみんなが大変なときは必ず助けようとするトランプの内面を見ているからなんですよね。
トランプが「かわいい子に弱い」という彼の"アキレス腱"のウワサを聞いてスネるレディも、彼の勇気と行動力を目の当たりにして、改めて好きだということに気づくところもグッときます。
いろいろな人からご飯をもらう術を持ち、言葉巧みに相手を誘導してピンチを抜け出すトランプの、世渡り上手なところも、ぜひ見ていただきたいですね。
楽しい場面がたくさんある一方で、捨て犬たちが保健所に収容される怖いシーンもあります。小さいお子さんなら、動物を大切にしなきゃと思うでしょうね。そんなふうに学べるところもすごくいい。
喧嘩のシーンを直接的な表現ではなく、影で見せるところには、クリエイターの優しさを感じました。犬目線で描き、人間の顔を多く見せないのも好きな演出です。この作品には魅力が満載で、大人になってからもたくさんの発見がありました。
ますますディズニーの世界にハマっていきそうです。
ウォルト・ディズニーが伝えようとした優しさ、夢、生きるためのヒントがちりばめられた『わんわん物語』をぜひこのクリスマスにお楽しみください。
『わんわん物語』のMovieNEX
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