何もかもが猛スピードで進んでいく今の時代。ふと気づくと、忙しさに追われて、前ばかり見ていたり、思い通りにいかなくて、下ばかり見ていませんか?
そんなときは心も頭も開放してくれる、"空飛ぶ"映画がおすすめです。ある大学の実験では、紙飛行機を飛ばす実験を大学で行ったところ、気持ちがあがるという結果も見られたそう。自分が飛ぶにしても、何かを飛ばすにしても、"飛ぶ"ということには、いい効果があるようです。ディズニーの"空飛ぶ"映画の主役たちも、飛ぶことで、それぞれの悩みを解き放ち、かけがえのないものを手に入れます。
まずは、3本のディズニー作品から、そんな主役たちの姿をご紹介しましょう。
『アラジン』(1993)
『アラジン』のヒロインは、賢く、強気な、砂漠の王国アグラバーの王女ジャスミン。
何不自由なく見えるけれど、実は礼儀と規則でがんじがらめの王宮のなかで、退屈な日々を過ごしています。頼みの父王サルタンといえば、邪悪な国務大臣のジャファーに操られ、いずれかの国の王子と結婚するように急かしてばかり。そんななか、ついに自由を求めて王宮を抜け出したジャスミンは、市場で盗人と間違えられたところを、貧しいながら優しい心を持った青年アラジンに助けられます。息がぴったりあった2人は惹かれ合いますが、身分違いの恋に悩むことに。それでも、あきらめきれないアラジンは、夜の王宮を訪ね、ジャスミンを魔法のじゅうたんで空の旅に連れ出します。アラジンが空からいざなう、初めて尽くしの外の世界。ジャスミンは空を飛ぶことで、本当の"自由"とは何かを考えはじめます。そんな2人を王宮で待っていたのは…?
アラン・メンケン作曲、ティム・ライス作詞の美しい主題歌「ホール・ニュー・ワールド」と一緒に味わう空の旅は、見ているだけで豊かな気持ちになります。2人の恋と冒険を助けるランプの魔人ジーニーも、ファンが多い大人気キャラクターです。
『ダンボ』(1954)
クラシック作品『ダンボ』の主役は、サーカス象のジャンボのところにコウノトリが運んできた、耳の大きな赤ちゃん象のダンボです。
待ちに待った赤ちゃんをあたたかく迎え、愛情たっぷりに育てる母ジャンボ。ところが、仲間の象たちは、耳が大きいことを理由にダンボをからかい、仲間はずれにします。さらに、人間の子どもたちがダンボにイタズラをすると、ジャンボはかわいい我が子をかばって、子どもたちにお仕置きをしてしまいます。そして、止めに入ったサーカス団長を投げ飛ばしてしまうジャンボ。団長の怒りを買った母象ジャンボが檻に入れられると、ダンボはひとりぼっち…。その後も、仲間の象たちからそっぽを向かれ、サーカスの演技も失敗ばかりしてしまいます。
そんなある日、唯一の友だちであるネズミのティモシーと、森のカラスたちが、コンプレックスを持つダンボにヒントをくれます。その大きい耳を羽がわりにして飛べるのではないかと!人と違うことは、実はとても素敵なことであると知るダンボ。勇気を振り絞って、サーカスの舞台に戻ります。
いくつもの試練にも負けず、空を飛ぶことで"自信"を得たダンボの姿は、できないことはない!ことに気づかせ、勇気づけてくれます。
『ピーター・パン』(1955)
『ピーター・パン』に出てくるのは、空飛ぶ少年ピーター・パンと妖精ティンカー・ベル、そして彼らの存在を信じて憧れる少女ウェンディと、その弟たち。
息子たちが「ピーター・パンごっこ」と称したイタズラをするのは、夢見がちなウェンディのせいだと怒った父は、ウェンディに一人部屋で過ごすよう命じます。その晩、両親不在の子ども部屋を訪れたのは、なんとピーター・パン!自分の影を探すために忍び込んできたのでした。
大喜びのウェンディを夢が叶う国「ネバーランド」に誘い、迷子の子どもたちの母親役になってほしいと頼むピーター・パン。そこでウェンディと弟たちは、星から星へと夜空を飛び、皆でネバーランドを目指すことにします。初めはうまく飛べないウェンディたちに、ピーター・パンが教えた飛べるコツは、「素敵なこと、楽しいことを考えて、強く信じること」。そうやってネバーランドに到着した彼らは、ピーター・パンの宿敵である海賊フック船長との戦いや、さまざまな冒険を経験します。
大人になりたくなかった子どもたちは、空を飛ぶことで、自立を学んだのかもしれません。いつもとは違う環境に飛び出すときにはリスクや不安がつきものだけれど、飛びこんでみたから成長できることってあるのかもしれませんね。
"空飛ぶ"映画の4本目は、ディズニー/ピクサー作品から、こちらの1本をご紹介します。
『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)
『カールじいさんの空飛ぶ家』の主人公は、無口で頑固な78歳のカールじいさん。
長年連れ添った最愛の妻を亡くしたカールじいさんは、頑固さに磨きがかかり、孤独な日々を送っています。ある事件をきっかけに、思い出が詰まった家からの立ち退きを命じられると、1万個以上の風船を付け、家ごと飛んで空の旅へと出発します。
目指すのは、伝説の冒険家が消息を絶った南米の滝。いつか一緒に行こう! と夢見ていた、冒険好きの妻との約束を果たすためです。ワケあり少年のラッセルや、伝説の怪鳥、しゃべる犬たちも加わった珍道中、さまざまな困難を共に乗り越えながら、心を開いていくカールじいさん。約束を果たした先には亡き妻からのメッセージが待っていました!
カールじいさんは空を飛ぶことで、前向きに過去にサヨナラし、新たな絆にあふれる"未来"を手に入れたようです。
いかがでしたか?
それぞれの目的のために、いろいろな仲間と、さまざまな方法で空を飛んだディズニー映画の主役たち。誰もが皆、地上にいるだけでは見つけられない、貴重なものを手に入れたようです。皆さんもぜひ、"空飛ぶ映画"で新しい世界へと飛び出してみてください。