ディズニー映画の中には、いつだって印象的な登場人物たちが数多く登場してきました。中でも特に忘れがたいのが、"母親"のキャラクターたち。おとぎ話をモチーフとした作品のなかには、継母や育て親など、血の繋がりがない場合もありますが、彼女たちが印象に残るキャラクターであることは間違いありません。
たとえば、意地悪で物事が自分の思い通りにならないと気が済まない『塔の上のラプンツェル』(2011)のマザー・ゴーテル。子どもたちを甘やかしながら、いざというときには強い意志を示す『おしゃれキャット』(1972)のダッチェスなど。彼女たちは、母の日にカーネーションを贈りたくほど魅力にあふれています。今回は、そんな素晴らしい母親たちの姿を見ていきましょう。
【1】ジャンボ
『ダンボ』1954
かわいい子象のダンボに、目いっぱいの愛情をそそぐ母親のジャンボ。彼女は、わが子を守るためならどんなことでもするでしょう。
ダンボの大きな耳の魅力が、周りに認められるまでにはさまざまな困難がありましたが、ジャンボははじめからわかっていたのです。自分の息子が、とてもすばらしい存在であることを。
【2】ウィニフレッド・バンクス
『メリー・ポピンズ』1965
女性の選挙権獲得を目指すバンクス夫人は、いつも何かに気をとられそわそわしていますが、本当は優しい心も持った女性なのです。映画の中で彼女は、あの印象的なたこ揚げのシーンを通して、家族の存在の大切さにあらためて気づきます。劇中で彼女は歌います。「私たちの娘の、そのさらに娘たちはきっと、私たちのことを、よくやった!って褒めてくれるはず」。その通りです!歴史を通して、多くの女性たちは次の世代へと繋がる革命を成し遂げてきたのです。
【3】アンナ・ロビンソン(Mother Robinson)
『スイスファミリー・ロビンソン』1961
船が難破し、無人島に流れ着いたロビンソン一家の母・アンナは、はじめは救援が来ることを祈っていましたが、夫のフランツと力を合わせることで、家族のためのツリーハウスを建て、実際に助けが来るころには、島に留まることを決意します。彼女たちの懸命な努力と勇気が、無人島をパラダイスへと変えたのです。
たとえそれが海賊や野生動物などの危険でいっぱいの無人島でないとしても、母親という存在は、さまざまな危険から家族を守り、安らぎを与えるために力を尽くします。どんな母親の心にも、少なからずアンナ・ロビンソンが宿っているのです。
【4】イラスティガール/インクレディブル夫人/ヘレン・パー
『Mr.インクレディブル』2004
3人の子どもを育てながら、ミッドセンチュリー風のしゃれた家を綺麗に保ち、夫ボブのシャツもパリッと洗濯。そんなヘレン・パーは、戦闘機も乗りこなし、悪いやつと戦うために屋根から屋根へと飛び移ります。スーパーヒーローを引退したあとも彼女は、その柔軟さを決して失いません。エドナ・モードからは「本当のあなたはスーパーヒーローなのよ!」といいタイミングでリマインドされてもいますしね!
【5】ウェンディ・ダーリング
『ピーター・パン2 ネバーランドの秘密』2002
『ピーター・パン』(1955)では、ウェンディは大人になり、2人の子どもを持つ母親になっています。彼女は子どもを育てるというとても大きな役割がありますが、かつてのような遊び心や勇敢さを失っていません。子どもたちからしたら信じられないことですが、女性は誰もが「母親」として生まれてくるわけではありません。彼女たちにも、それぞれの人生の中で冒険があったのです。だからこそ、部屋を抜け出して冒険の旅に出る子どもたちの気持ちが理解できる母親になれるのです。
【6】ライオンの母子
『ディズニーネイチャー/サバンナを生きる百獣の王』2011
チーターとライオンの母親は、子どもたちのためならどんなことでもします。ドキュメンタリーの本作では、動物たちの威厳に満ちあふれた姿や、ときに愉快で、ときに胸が痛むような姿が、次々と映し出されます。きっとあなたの中の「母親」は、この作品の中の動物たちから多くのことを学ぶことができるでしょう。
ディズニー映画の中では、美しく、たくましい母親たちの姿が、数多く描かれてきました。作品を通して、あらためて母親の偉大さを感じてみてくださいね。