約22年前に日本初公開された、最初の長編コンピューターアニメーション映画『トイ・ストーリー』(1996)についてのトリビア10選をお送りします。おもちゃが生き生きと動き出すというコンセプトは、エキサイティングで面白いですよね。制作にあたり、リサーチを重ねる段階で、アニメーターたちはいろいろなことを学んだようです。以下10選のうち、既にご存知のものはありますか?
【1】ピザ・プラネットはピザ・パットという名前になるところだった
ピザ・プラネットは当初、ピザを売りにしたレストランとミニゴルフのコースが併設された"ピザ・パット"(もちろんピザ・ハットをもじっています)という施設になる予定でした。しかし、制作の最終段階で、ピクサーは名前を変更。バズに、ようやく家に帰れた!と誤解させるために、宇宙をテーマにしたレストランにしたのです。
【2】アニメーターたちは自分たちの足を板に固定して、兵士たちの動きを研究した
兵士たちがどんなふうに動くのかを把握するために、アニメーターたちは木のボードを自分たちの足にくくりつけて、彼らにさせるような動きを、実際に自分たちでやってみました。思った以上に大変だったようですよ。
【3】バズの腕を動かしたシーンは、ウッディ役のトム・ハンクスのアドリブ
ウッディがバズの腕を動かし、他のおもちゃたちにバズがそこにいると思わせようとしていたシーンの撮影の際、ジョン・ラセター監督はトム・ハンクスが録音しているところに作り物の腕を持って行き、それを使ってアドリブをしてみてほしいと頼んだそうです。シーンの内容説明を受けたトムは、人形芝居のようにアドリブを披露。それが素晴らしかったので、実際の映画にはほとんどそのまま使われたのだそうです。ただし、ウッディがバズの手相を読む、という演出は、使われなかったようですが。
【4】レックスは『ジュラシック・パーク』のT・レックスに寄せてデザインされた
レックスをデザインしているちょうどその時に、映画『ジュラシック・パーク』がヒットしました。恐竜に注目が集まり、映画にも入れることになりましたが、そのキャラクターは恐竜らしからぬ気弱なタイプにすることになりました。しかも、ティラノサウルスの前肢は異常に短く、自分の鼻に触ることもできないという特徴ゆえに、神経症なキャラクターに描いたのです。
【5】台本の初稿では、バービーが大きな役を担っていた
バービーが映画の続編で活躍していることは、みなさんご存知かと思いますが、彼女はもともと最初の作品でデビューするはずでした。初期の台本のひとつでは、バズとウッディがトラックを追いかけるシーンで、バービーがピンクのコルベットを運転し、シドの犬から彼らを守ろうとしているところが描かれていたのです。
【6】シドは、2人のピクサー社員を参考に描かれた
『トイ・ストーリー』の悪役といえばシド。彼は、作品の作家であるアンドリューとジョーの2人の子ども時代の経験を元に描かれました。ラセター監督は、ジョーがどんなふうにおもちゃを壊したかを思い出させました。裏庭でのコンバット・カールのシーンについてアンドリューは、8歳のときに友だちとやっていたことを思い出す、と言っています。
【7】バズの名前は有名な宇宙飛行士バズ・オルドリンにちなんでいる
バズの名前は、月面を歩いた2番目の男の名前から来ているのです。「無限の彼方へ」本当に行った方なのです。
【8】ポテト・ヘッドの演技にはドン・リックルズがハマり役だった
おもちゃをキャスティングする際、制作者たちはキャラクターにどんな人格を持たせようかと考えます。しょっちゅう顔のパーツをなくしてしまうポテト・ヘッドについては、有名なコメディアンであるドン・リックルズをキャスティングしました。ポテト・ヘッドがホッケーのパックに向かって言ったセリフ"何見てるんだよ"は、ドンお決まりのキャッチフレーズです。
【9】本物のおもちゃからもインスピレーションを得た
制作期間中、監督も脚本家も、おもちゃ屋で長い時間研究したそうです。おもちゃを観察しては、オフィスに持ち帰っての日々でした。彼らはそうやって、実際に存在するおもちゃとアイデアのおもちゃをミックスさせて創作しました。彼らが持ち帰った実際のおもちゃたちは、当時スリンキー・ドッグの横に置いてあったそうです。
【10】アンディのキャラクターモデルは作品の中で何人もいる
アニメーターたちはアンディのキャラクターモデルを何度も使いまわしました。髪形を変え、服装を変え、肌の色やアクセサリーを変えて使用しました。それらのキャラクターたちはアンディのパーティにいる子どもたちだったり、ピザ・プラネットにいる子どもたちの中にいたりするそうです。
いかがでしたか?
22年も前の作品とは思えないほどに、アニメーションもストーリーもいきいきとしてます。根強いファンを持ち続けている『トイ・ストーリー』シリーズを、この機会にまた観返してみてくださいね!