『メリー・ポピンズ』(1964)を観たことがありますか?題名は聞いたことがあるけど…という方もいるかもしれませんね。
魔法のような不思議な映像と、心に残る素晴らしい名曲の数々、そして観る人を楽しませるストーリーは、ディズニーの世界を満喫したい方にぜひおすすめです!
映画の公開から半世紀たっても色あせることはない『メリー・ポピンズ』の制作は、いったいどのように行われたのでしょうか?
読んだあとに映画を観れば、面白さが倍増するかも!
【1】映画化のきっかけはウォルトの娘!?
1938年、ウォルトの娘ダイアンが、愛読書であった『風にのってきたメアリー・ポピンズ』の映画化を望んだことが全ての始まりでした。
ウォルトは彼女の願いをかなえるため、制作にとりかかります。
【2】企画から公開まで20年以上!?
しかし、『メリー・ポピンズ』の公開までには長い時間がかかりました。なぜなら、原作者のパメラ・トラバースが、なかなか映像化を承諾しなかったからです。
1938年に行われた一度目の交渉では、あっさり断られてしまいます。1944年、ウォルトが兄のロイをつかわせたときも、答えはノー。
そして1959年、ウォルトはついに彼女のもとへ直接会いにいきます。その時、彼の熱い想いを知ったトラバースは、ようやく映画化を認めたのです。
こうして、娘との約束からおよそ20年後の1964年、映画はようやく公開されることとなりました。
【3】「古い鎖を断ち切って」はグリニス・ジョンズのために作られた!?
母親のミセス・バンクスを演じるのは、女優のグリニス・ジョンズ。彼女は当初、主役として映画にオファーされたのだと思っていました。しかし、実際に演じることを求められたのは、バンクス家の母親役。彼女は出演をしぶり、条件をひとつ提示しました。それは、自分の役のためのミュージカルソングがあること。ウォルトは、早速シャーマン兄弟に曲を作らせました。
そして出来たのが「古い鎖を断ち切って」。この歌をすっかり気に入ったジョンズは、出演をOKしたのでした。
【4】たまたま夫婦そろって映画に参加!?
メリー・ポピンズを演じるジュリー・アンドリュースとその夫トニー・ウォルトンは、夫婦で映画に参加しています。
ウォルトがアンドリュースに出演のオファーをしに舞台の楽屋へいった際に、たまたまその場にいた夫ウォルトン。彼が舞台セットや衣装のデザイナーだと知ったウォルトは、彼のポートフォリオを見せてもらい、彼にも映画への参加をオファーしました。
その結果、夫婦そろって『メリー・ポピンズ』の仕事を手に入れたのです。
【5】歌もダンスも素人の俳優が大道芸人役!?
大道芸人のバートを演じるディック・ヴァン・ダイクは、それまで歌やダンスの経験がほとんどありませんでした。
そのため、ミュージカルシーンの撮影ではとても緊張したとのこと。でも、映画の中ではそれがまったくわからないほど見事なダンスを披露しています。
のちに彼は、他のミュージカル映画で活躍するほどの腕前になりました。
【6】ロボットが出演!?
『メリー・ポピンズ』には、まるで魔法が使われているように感じるシーンがたくさんあります。
たとえば、「笑うのが大好き」(「I love to laugh」)を歌うシーンでは、キャストたちをワイヤーで吊りあげて、さまざまな距離から撮影したり、時には部屋を回転させて撮影しました。映画を観れば、本当に空を飛んでいるように見えることが分かります。
また、「お砂糖ひとさじで」(「A Spoonful of Sugar」)を歌うシーンでは、音楽に合わせて動く鳥が登場します。実はこれはオーディオアニマトロニクスというロボット。まるで本当に生きているかのような生き生きとした動きは、ディズニーの最先端技術によって実現されたものなのです。
ウォルトは、さまざまな創意工夫によって魔法の世界を表現することに成功したのです。
【7】10セントで空を飛んだ!?
映画の公開後、ディック・ヴァン・ダイクとジュリー・アンドリュースが懐かしそうに振り返るのは、ある小さな俳優のことです。
バンクス家の長男として出演したマシュウ・ガーバーは、高いところがとても苦手でした。そのため、ワイヤーで吊り上げられるシーンをとても嫌がったそうです。
そんな彼に、スタッフは10セント硬貨をごほうびとしてプレゼントすることに決めました。こうしてマシュウは、空を飛ぶことでひと儲けしたのです。
【8】「踊ろう、調子よく(Step in Time)」のシーンはたったの2分間の予定だった!?
制作の初期段階で、スタッフたちは、「踊ろう、調子よく」のシーンを長すぎると感じ、2分に縮めようとしていました。しかし、ウォルトはなんと、逆にさらに長くしてしまったそう。煙突掃除屋の動きを加え、最終的に完成したシーンは結局14分間もの長さになりました。
【9】アカデミー賞を5部門受賞!
『メリー・ポピンズ』は、なんとアカデミー賞13部門にノミネートされました。この中から、ジュリー・アンドリュースが主演女優賞を獲得したほか、編集賞、特殊視覚効果賞、「チム・チム・チェリー」が歌曲賞、そしてシャーマン兄弟が作曲賞を受賞し、計5部門でオスカー像を手にしています。
【10】作中歌の「2ペンスを鳩に」はウォルトの大のお気に入り!
作中歌の「2ペンスを鳩に」は、ウォルトの大のお気に入りの曲でした。金曜日になると毎週のように、シャーマン兄弟に電話口で歌うように頼んだそう。そして、聞き終わった後には「どうしても聴きたかったんだ」と満足げに感謝したといいます。
ディズニーランドで行われたウォルト生誕100周年記念式典の際にも、リチャード・シャーマンはこの歌を披露しています。
今でも色あせることなく、不思議な映像とすばらしい音楽、そして心躍るストーリーを届けてくれる『メリー・ポピンズ』。
まだ観たことがない方も、一度観てみることをおすすめします。
*本記事の作品公開年はアメリカ公開の年を記載しています
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