現在公開中の最新映画『ズートピア』。その魅力はなんといっても動物が自分たちのために設計した大都会で暮らすというストーリーに加え、さまざまな動物の特性をいかしたキャラクター設定にあります。
もちろん最新技術を駆使したアニメーションではあるものの、作品に流れているのは、ウォルト・ディズニーが生み出したリアルな動物描写という伝統がいまも受け継がれているからなのです。
ズートピアは、いままで誰も想像したことのない、動物たちの高度文明社会! そこでは、ウサギもキツネもゾウもライオンもナマケモノも……なんとネズミまでもが服に身を包み、スマホやコーヒーを片手に2本足で歩いて、BGMをバックに車を運転したり。彼らには家族もあって家もあるんです。 「誰でも夢を叶えることができる」楽園……のはずが、じつは巨大な陰謀も隠されていて!! この危機に立ち上がったのが新米警官のウサギ「ジュディ」。果たして彼女はズートピアを救えるのでしょうか。
『ズートピア』で製作総指揮を務めたのが、アニメーション界の巨匠ジョン・ラセター。彼のモットーは“徹底的なリサーチ”です。それは90年以上にわたるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの“遺伝子”でもあり、今回はケニアを訪れての実地観察を含め、動物のリサーチだけでも18ヶ月の時間を費やしたそうです。そのため動物たちの細かな習性やサイズ感までもリアルに表現することができ、観客がその世界観に引き込まれるのはそうして生み出されたこだわりがあったからです。
動物たちのリアルな姿。それはディズニー・アニメーション最大の魅力であり、ウォルト・ディズニーの時代から脈々と受け継がれている伝統です。リアリティを追求するために、映画の制作段階では個々の動物に対してみっちり研究が行われてきました。それは本物の動物を手に入れ、間近で見たり触ったりすることで動物の骨格や筋肉、そしてそのつながりをも理解しようとしたのです。あたかも比較解剖学の研究のような熱心さでした。
『バンビ』の制作過程では2頭の小鹿を実際にスタジオで飼って、つねに参考にしていたとか。また、誕生したばかりの小鹿のシーンのために動物園へ行って、出産の場面を撮影することもあったそうです。
ジュディ・ホップス
本作のヒロインは、ズートピア警察署に勤務するウサギの新米警官。警察学校を主席で卒業し、ウサギ初の警察官となった努力家ながら警察署長のボゴにはなかなか認めてもらえず……。表情を豊かに物語る大きな耳と瞳がとびきりキュート!
ニック・ワイルド
キツネの詐欺師。ある出来事をきかっけに、ジュディの捜査に協力するハメに。ズートピアの裏社会にまで精通するやり手で皮肉屋だが、本当は心やさしい一面が見え隠れ。
自然界でキツネはウサギの天敵。知恵比べする良きライバルと言われる両者の関係性は、ジュディとニックの掛け合いによく反映されています。しかし物語が進むうちに、ふたりの間には絆が生まれます。
クロウハウザー
ズートピア警察署の受付担当。チーターだが太っちょなのはドーナツが大好物だから。のんびり屋で気さくな性格も、チーターとはかけ離れたイメージ。
ガゼル
絶大な人気を誇るポップスター。劇中歌もディズニー作品では重要な要素。彼女の歌う『 トライ・エヴリシング 』は主題歌でもあり、「失敗してもあきらめずに向かって行こう」という強いメッセージが込められています。ジュディが故郷からズートピアに向かう列車の車中等で流れます。キャラクターは英語版担当の歌姫・シャキーラそのもの。日本版で歌うのはDream Amiさん。
フラッシュ
免許センターで働くナマケモノ。超スローペースな動作や話し方ながら、物語終盤には意外な一面も。
マイケル・狸山
ニュースキャスターを務めるタヌキのマイケル・狸山。親しみやすい外見ながら、冷静にニュースを伝えるプロ。