1977年以来、スター・ウォーズの視聴者を魅了してやまないライトセーバー。いまやスター・ウォーズといえばコレ、といえるほどの定番アイテムとなっている。ホウキや、ペーパータオルの芯や、とにかくライトセーバーにちょっとでも似てる感じのものならなんでもいいが、今まで生きてきて、そういったモノを「ヴォーン」とか言いながら効果音を口マネして振り回さなかった人がいるだろうか? ではさっそく、はるか彼方の銀河で使われているエレガントな武器についての知見を深めていこう。
ライトセーバーはジェダイとシスが使うものだという考え方がもっとも一般的だが、この武器の使用者のすべてがジェダイやシスの信奉者というわけではない。レン騎士団の最初の指導者、レンは、赤いライトセーバーを使用していたが、単にダーク・ウォーリアーというだけでジェダイでもシスでもなかった。アソーカ・タノは元々はジェダイとして育ったが、ジェダイ・オーダーを離れた後もライトセーバーを使い続け、最終的には白い光刃を発する新たな2本を身に付けるようになった。
ジェダイのヤングリング(幼い訓練生)はライトセーバーを作るため、「ギャザリング」と呼ばれる通過儀礼の旅に出る。訓練生たちは聖なる惑星イラムへと赴き、氷の洞窟で彼ら自身のものとなるカイバー・クリスタルを見つける修行を行う。洞窟は訓練生のそれぞれに異なる方法で試練を与える。そして訓練生たちがそれらの障害を克服したときにのみ、彼らに同調した各人用のカイバー・クリスタルが見つかるのだ。カイバー・クリスタルはライトセーバーには不可欠なパーツであり、エネルギー・ビームの生成元となる存在だ。だが、柄の内側にあるクリスタルをバンバン叩けば光刃が出てくるというものでもない。ライトセーバーを構成するパーツは他にも多くあり、事はそれほど単純ではない。
カイバー・クリスタルが得られたら、重要な部品が組み込まれる柄の組み立てに入る。
重要な部品とはパワー・セルあるいはエネルギー・コア、合焦リング、光刃エミッター、種々のコントロール装置などだ。
パワー・セルまたはエネルギー・コアはライトセーバーにパワーを供給するもので、カイバー・クリスタルと組み合わせて作動する。この2点の部品なしにライトセーバーは成立しない。
次に合焦リングだが、これはカイバー・クリスタルを制御、調整し、光刃を射出する機構である。皆のよく知るあの光刃を作るには、合焦リングを適切に調整する必要がある。でなければ、クリスタルにひびが入ったり、あるいは起動時に本体が爆発したりする可能性だってあるのだ! 光刃エミッターは、すべての内部部品が適切に組み立てられた後に取り付けられるパーツで、光刃が射出される部位であるライトセーバーの上端に配置される。
では最後に。ライトセーバーにはパワーのオン/オフ・ボタン等、さまざまなコントロール装置が取り付けられる。柄の残りの部分は、頭頂部からグリップ、光刃エミッターの形状、さらには全部品をまとめる装飾的な部材に至るまで、完全にカスタマイズ可能となっている。
ダース・モールのライトセーバー
ドゥークー伯爵のライトセーバー
話をカイバー・クリスタルに戻そう。この輝く宝石は、通常、それを見つけたオリジナルのフォースの使い手に同調し、すぐに緑、青、紫、黄のいずれかの色に変化する。赤い結晶は自然なものではなく、その色になるにはダークサイドに「堕ちる」必要がある。つまりクリスタルが赤くなっているということは、ダークサイドのフォースの使い手がクリスタルを手に入れ、暗黒面を注入し、元の自然な色から不自然な深紅色に強制的に変えたということを意味する。
ジェダイのギャザリングのように、シスにも通過儀礼がある。ジェダイ(または光明面の使い手)のクリスタルを入手して悪の赤に染めることだ。この行為は「結晶をブリード(出血)させる」と表現されることもある。一方、白い光刃の場合は基本的に「ブリード」とは正反対の道を通る。フォースの使い手は、赤化させるのではなく、クリスタルのバランスを取ることでそれに「無色」を与えることができるのだ。ただし白い光刃は別の手段によっても作ることが可能となっている。
以上がレーザー剣に関する秘密情報だ。
Starwars.com 2021/5/11の記事
筆者略歴
エミリー・シュコウカニはルーカスフィルムのジュニア・クリエイティブ・エグゼクティブ。彼女の仕事はスター・ウォーズ銀河の伝承や整合性をきちんと維持するためのサポート。エグゼクティブも時々はStarWars.comに寄稿してくれるんです!