私たちはこの瞬間を「3000回愛してる」
2008年から11年にわたり23作品を世に送り出してきたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)。1番好きだったMCUのシーンを挙げるとしたら……?
長い時間をかけ、アスガルドからワカンダ、そしてノーウェアまで、私たちを長い旅路へ連れていってくれた数々の作品たち。その中から好きなシーンを1つに絞るなんて、とてもできそうにありません!今回、マーベル関係者のメンバーがそんな悩ましい選択にチャレンジしてくれました。各々にとって印象深い、お気に入りのシーンについてのコメントをご紹介します。
「『ブラックパンサー』でシュリがラボにいるシーンが大好き。あのシーンで、初めてシュリと兄のティ・チャラがふざけあう様子や、ラボの新しいテクノロジーを見ることができたわね。まさに、ワカンダの日常を捉えた最高の瞬間!王族の兄妹がどれくらい親密かというのもわかるし(ラボに招待するや否や遊んだりね)、それだけでなくワカンダを象徴するテクノロジーがシュリによってどのように生み出されたかを理解できるシーンだわ。まあ、失敗もあるだろうからティ・チャラとしては他人に毎日は見せたくないかもしれないけどね(笑)」
―マリカ・J・ハシモト(編集委員)
「目を見張るコスチューム、ゴージャスなプロダクションデザイン、最高のサウンドトラック、天才的なマーケティング。『ブラックパンサー』はこの11年で生み出されたMCUの作品の中で最も美しく、よく作られたエンターテイメントのうちの1つだよ。この作品は伝承されたコミックから多大なるインスピレーションを受け、イデオロジーの衝突を描いている物語だ。キルモンガーとティ・チャラの関係性は、マルコムXとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのようでもあり、ここで描かれているストーリーは仮想国家ワカンダだけの話ではなく、今日のオークランドで何が起きているかを、最も説得力があり感慨深い形で描いている。数年オークランドに住んだ僕としては、本作は映画史に残る名作で、ここで本質的に何が語られ何が描かれているのかを理解できるすべての人間が観るべきものだと思うよ」
―エリック・モナセリ(Marvel Gamesプロダクション・ディレクター)
「私は絞り切れないから2つ。『ブラックパンサー』で皆が滝に集まっているシーンね。あのシーンを観た瞬間、私は今までこういった形で描かれたアフリカを見たことがないって感覚になったの。今までの欧米映画には存在しなかったシーンだわ。それを目撃したことが本当に特別で、エキサイティングに感じた。あとは、“心配ない。我々が助ける”っていう、『アベンジャーズ/エンドゲーム 』のあそこ!最終戦に向けて、彼女たちが結束するシーンに心臓が爆発するぐらい興奮した!」
―ロレイン・シンク(タレント、シニア・クリエイティブ・プロデューサー)
「『アベンジャーズ/エンドゲーム』でマーベルの女性陣が一同に介するシーンね。劇場で観たときの事をよく覚えている。すべての女性ヒーローたちが皆一緒にスクリーンに映った瞬間、ゾクゾクして大声で叫んだと思う。あの瞬間こそ、私が長い間待ちわびていたもので、一生忘れないわ。そして、このシーンが意味するものは、次の世代のファンにとってとても重要なものになるわね」
―ジュディ・ステファンズ(プロデューサー)
「“心配ない。我々が助ける”と言ったあのシーン。素晴らしいマーベルの女性ヒーローたちが一緒になって戦ったあの場面は、私に力を与えた瞬間だった。未だに毎回見るたびに鳥肌が立っちゃう!」
―ローラ・ハサウェイ(Marvel Gamesオペレーション・コーディネーター)
「MCUで好きなシーンは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でワスプ、スカーレット・ウィッチ、キャプテン・マーベル、シュリ、マンティス、ヴァルキリー、そしてペッパーがサノスを相手に共闘するシーン。まさに全てが一周した瞬間よね」
―シャーメイン・ゴメス(アシスタント・マネージャー、販売統括)
「一番の名場面は『アベンジャーズ/エンドゲーム』でトニー・スターク(以下、トニー)がペッパーと娘に向かって録画を通して語りかけるシーンね。“でもヒーローに危険はつきもの。何を怖がる?何もかもうまくいくさ、計画通りに。3000回愛してる”の台詞。実はこの映画が公開される頃、私の私生活はエンドゲーム並みにタフだったの。だからこの台詞はすごく自分自身に刺さった。映画がそれを観る者の生活に与える影響って、計り知れないものね。この映画は、私自身の物語にも平和をもたらしてくれた。私にとってとても素敵な偶然で、忘れられないシーンになったわ」
―イレーヌ・ウー(コーディネーター、統合マーケティング)
「僕のお気に入りは『アイアンマン』のラストシーンでトニーが“私がアイアンマンだ”って言ったシーン。映画が公開される数日前に、マーベルの試写室で観たときのことをよく覚えている。マーベル・スタジオがやったことに驚いて興奮し、感動したよ!」
―ライアン・ペナゴス(副社長、クリエイティブ・エグセクティブ)
「少しメジャーから外れた意見かもしれないけれど、僕にとって一番の場面は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でスティーブ・ロジャースが107部隊を救出したシーンだ。助けられた兵士たちが集まり、バッキーが“キャプテン・アメリカを称えよう!”と叫ぶ。兵士らが感激し、そこに流れるアラン・シルヴェストリによるキャプテンのテーマ曲がまた素晴らしい。何度観ても鳥肌が立つよ。キャプテン・アメリカがヒーローになるために生まれた男だということが実によくわかる名シーンだね」
―ブライアン・クロスビー(Themed Entertainmentクリエイティブ・ディレクター)
「マーベル・スタジオの映画を観てきた中で、最も高揚したのは『アベンジャーズ/エンドゲーム』でキャプテン・アメリカがムジョルニアを掴んだ瞬間だ。スティーブ・ロジャースというキャラクターに未だかつてないほどインパクトを与えたシーンだと思うよ。彼がただのドライなスーパーヒーローではなく、複雑で、気難しくて、思慮深い男だという事が証明された場面だね。彼がムジョルニアを持つのを見ると、いじめを嫌うただのブルックリン生まれの子供が、実は真の最も崇高なヒーローだったことがわかるよ」
―ジェイミー・フレベル(New Media 編集者)
「『アイアンマン3』はまさに、トニー・スターク自身の物語を描いた作品。彼をヒーローに仕立て上げた全てのものを失ったあと、自身の持つ恐怖や怒り、自分に何ができるのか、また何かを造ることへのトラウマと向き合うの。彼はただ、新しいガジェットを作っているわけじゃない。その過程を通して、彼は再び自分のアイデンティティーを1つのピースにまとめあげたのね。アーマーを着ていない状態で、新たな強さを発見することができたのよ。トニーの核、ハートの部分はいつだってメカニックだということがわかるわ」
―アラナ・ヘルンソン(ソーシャルメディア・コーディネーター)
「コミックエディターとして働いていたとき、僕は幸運なことにキース・ギッフェン、ティモシー・グリーン、ダン・アブネット、アンディ・ラニング、そしてポール・ペルティエと共に現代のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを生み出すことができた。信じられないかもしれないけど、当時は話すアライグマや歩く木が出てくる本を怪しく思う人もいたんだ。映画には登場してないけど、僕にとってMCUでお気に入りのシーンは映画の最初のコンセプトアートが出た瞬間だね。ロケットやグルート、ガモーラ、ドラックス、スター・ロードの姿を見て、すぐにアンディとダンに電話した。“彼らは僕らのチームの映画を作ってる!”って叫んだよ」
―ビル・ローズマン(Marvel Games副社長、クリエイティブ・ディレクター)
「『マイティ・ソー/バトルロイヤル』でオーディンがソーに彼の持つ本当の力を説くシーンは胸が高なったわ! ソーとロキの関係性を理解する上でも好きな映画だし、何よりヴァルキリーの存在感もいい!」
―ロニ・クラーク(Marvel Gamesオペレーション・コーディネーター)
「『マイティ・ソー/バトルロイヤル』のおバカなシーンでのソーとロキが最高。ただ、即興的なだけじゃなくて、本当の兄弟らしいやりとりが見えて素敵なの。私自身の姉妹のことを思い出したわ。」
―ジェニファー・ライ(Social Mediaアシスタント・マネージャー)
「私は特にピーター・パーカー(以下、ピーター)に弱くて、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で彼が初登場したシーンほど喜びを感じたものはなかったわ。トニーがピーターのアパートに行って一緒にドイツに行こうと誘うシーンも好きだし(ピーターの「宿題しなきゃ」という返答も良いわね)、その後彼が他のアベンジャーズのメンバーに向かって「僕スパイダーマン」って言うシーンも最高。」
―レイチェル・ペイジ(Marvel New Mediaアソシエイト・エディター)
「私にとって、ピーターはこれからも核になる存在。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で、ハッピーとピーターがトニーを恋しがるシーン(「君の能力を信じてたから、あとのことを託したんだ」)は本当に胸に刺さるわね。ミステリオは、ピーターを彼がこれまで受けたことのないような試練を使って試し、彼は壊れかける。ハッピーとピーターが 飛行機で話すシーンは、悲しみ、不安、脆さをとてもリアルに描写しているからこそ、特別なの。そして、彼は自分の恐怖を乗り越え、愛する者を守るために強さを見出し、再び立ち上がった。それにこのシーンはコミック「AMAZING SPIDER-MAN#33」で描かれたクラシカルなスパイディを彷彿させるから好きなの。」
クリスティーン・ディン(Marvel.com エディター)
あなたにもぜひ、MCUの歴史の中で自分にとって特別なシーンを選んでみてほしい。