周りに惑わされずに自分を見つめて、本当に大切なもの、大切な人を見極めるのって、難しいですよね。10代の頃は特に。今回は、同じように迷い悩むアメリカのティーンたちの恋を描いた、ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー『イケてる私とサエない僕』(アメリカ公開2011)、『スターにアイ・ラブ・ユー』(アメリカ公開2010)の2本の映画を、アメリカの高校生ならではの要素も解説しながらご紹介します。
周りが思う自分と本当の自分
『イケてる私とサエない僕』、『スターにアイ・ラブ・ユー』の2作に共通するのは、"周りが思う自分と本当の自分"というテーマ。
『イケてる私とサエない僕』の主人公は、学校のアイドル的存在である少女ディラン(サラ・ハイランド)と、映画オタクの映画クラブ部長ジョシュ(マット・プロコプ)です。ブランド・ファッションに身を包み、香水をつけ、いつも"人気者であること"ばかりを気にしているディラン。ところが、映画祭優勝を狙うジョシュのドキュメンタリー作品の対象となることで、本当の自分が顔を出し始めます。
『スターにアイ・ラブ・ユー』の主人公は、世界的なティーンアイドルのクリストファー(スターリング・ナイト)と、春休みにミシガンから祖母が住むロサンゼルスにやってきたジェシカ(ダニエル・キャンベル)。パパラッチに追われながら、世間のイメージのなかで生きるクリストファーは、セレブに興味ゼロの率直な美少女ジェシカと出会い、本当の自分と向き合い始めます。
そんな2組のティーンロマンスの舞台となる、アメリカならではの要素を見ていきましょう。
人間関係の縮図?
『イケてる私とサエない僕』のカフェテリア
アメリカの中学や高校を舞台にした作品に、必ずと言っていいほど登場するカフェテリアのシーン。『イケてる私とサエない僕』にも、たびたび登場します。カフェテリアは実は、ただのランチ場所ではなく、学校での人間関係を反映する場所でもあるようです。
基本的にビュッフェスタイルで、生徒たちはサンドイッチやピザなど、好きなメニューをお皿に乗せて席に着きますが、ディランが選ぶのは、いつもサラダやおしゃれパスタ。人気者たるや、ヘルシー志向でなければならず、口を大きく開けて頬張る食べ物はNGと言わんばかりです。イケメンの彼氏とのディナーでも、ディランは寿司レストランを予約し、意識が高いことをアピールします(本当は食欲旺盛で、大の甘党なのに)。
また、カフェテリアには、座る位置にも暗黙のルールがあるよう。ディランの彼氏ら体育会系の男子と人気者女子たちは、高台の指定席に座り、映画クラブのジョシュたちや、音楽部、所属なしの生徒は足を踏み入れることができません。
どう歩くかで人気度が分かる?
『イケてる私とサエない僕』の学校の廊下事情
学校の廊下を生徒たちが行きかい、ロッカー前でうわさ話をしたり、人気者に熱い視線を送ったりするシーンもハイスクールものの定番ですね。多種多様な教育があるアメリカでは、地域や学校によりシステムが違いますが、多くの場合、中学の時点から教科が選択制になります。各々の時間割が異なり、同じ教室で1日を過ごすわけではないため、休み時間には次の授業に向かう生徒たちが廊下にあふれます。
ディランら人気者は、羨望の眼差しを浴びながら、廊下の真ん中を闊歩したり、ディランの彼氏のように教科書を投げ合ったり、やりたい放題。サエないジョシュも、ディランに洋服アレンジをしてもらった後は、女子生徒たちの熱い視線や言葉を浴びて、まんざらでもなさそう。でも、この"廊下の視線"は、ひとたび状況が変われば、一気に冷たい空気に変わるいたってモロいもの。惑わされてはいけません。
アメリカの春休みは恋する時間?
『スターにアイ・ラブ・ユー』
アメリカの学生にとって、春休み(スプリング・ブレイク)は恋に弾けたくなる季節のよう。『スターにアイ・ラブ・ユー』では、ポップスターのクリストファーの熱烈なファンである姉サラと、そんな姉に引き気味の妹ジェシカが、家族で春休みに祖母が住むロサンゼルスにやってきます。アメリカの夏休みは長いため、遠くへの旅行やキャンプなどに出かける人が多く、冬休みは家族と静かに過ごす人が多いため、恋の季節は春休みになるのでしょう。
クリストファーを肉眼で見る気まんまんのサラは、彼が出没しそうなマリブのビーチやウエスト・ハリウッドのクラブに繰り出します。でも結局、パパラッチから逃げ惑う彼と、最悪な出会いから淡い恋へと進むのは、妹ジェシカのほう。待ちに待った機会だと気張りすぎてしまいがちですが、自分に正直に自然体でいることこそが、恋の近道なのかもしれません。
ダンスパーティは告白の機会?
『イケてる私とサエない僕』『スターにアイ・ラブ・ユー』
こちらもアメリカの青春作品につきものなのが、学校で開かれるダンスパーティ。特に高校で学年末に開かれるパーティ、プロムはおなじみですね。時代とともに、このあり方も変わってきてはいますが、男子が女子をパートナーに誘い、フォーマルな格好でともに出かけるケースが多いとされています。
『イケてる私とサエない僕』では、ディランが目指す"ブロッサム・クイーン・コンテスト"の投票結果が発表される舞台として、『スターにアイ・ラブ・ユー』では、姉サラが傷心のジェシカを励ますために連れ出す場として、ダンスパーティがクライマックスに登場します。
両作に共通するのは、パーティに行くときには気が進まない女子たちが、パーティの終わりには最高の笑顔でいること。それぞれのダンスパーティで、どんなサプライズがあったのでしょうか?
ティーンの身近にあるのは映画&音楽
『イケてる私とサエない僕』『スターにアイ・ラブ・ユー』
映画や音楽といったエンターテインメントが、趣味としてだけではなく、ビジネスや課題、授業として身近にあることも、アメリカ教育の特徴かもしれません。
『イケてる私とサエない僕』では、ジョシュをはじめとする映画好きの生徒たちが、題材決め・撮影・編集・音響までを手がけて、ドキュメンタリー映画を製作します。特にロサンゼルスなどのエリアでは、演劇や映像製作のクラスや課外活動を選択できる小学校もあり、中学以降になると、芸術に特化した学校に進む子どもたちも多くいます。大学には映画や音楽関連の学科があり、早い時期から、エンターテインメントをビジネスや職業として意識する環境があるのです。
『スターにアイ・ラブ・ユー』では、ティーンアイドルのクリストファーがマネージャーである両親を解雇するシーンがあります。音楽界においては、10代の頃から自分のキャリア設計をするアーティストが多いのも、ショービズ教育の流れなのかもしれません。
ちなみに『スターにアイ・ラブ・ユー』では、クリストファーとジェシカがロサンゼルスの名所巡りをしますが、このセレクションがガイドブック並み!太鼓判を押したい観光地の数々です。もしロサンゼルスへ初めて旅行するなら、ぜひチェックしてみてください。
ティーンにおすすめの2作品ですが、どの世代が観てもキュンとする場面がたくさん。大人の皆さんは、あの頃を振り返りながら、アメリカ文化や教育の様子も垣間見てみてくださいね。

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