「クリスマス・キャロル」といえば、「オリバー・ツイスト」や「二都物語」「大いなる遺産」などで知られるイギリスの文豪、チャールズ・ディケンズによる不朽の名作。1843年に出版されたこの物語は、世界中で最もよく知られ、また愛されているクリスマス・ストーリーといっても過言ではありません。これまでに何度も、同作をもとにした映画やテレビドラマ、ミュージカルなどが作られてきました。
ディケンズの「クリスマス・キャロル」
ディケンズは中流階級の生まれながら、両親の浪費癖のため家が貧しく、学校にもろくに通えないまま、12歳から働きに出されました。そんな生い立ちのためか、下層階級や弱い者に温かい目を注ぎ、社会を風刺する作品を多く発表しています。
中編「クリスマス・キャロル」もそのひとつ。出版されるや爆発的人気を呼び、彼の人気を不動のものにしました。翌年からディケンズは毎年、クリスマスを題材にした作品を発表するようになりました。これらの作品は「クリスマス・ストーリーズ」にまとめられています。
ディズニーではこの「クリスマス・キャロル」を原作に、1981年に短編アニメーション『ミッキーのクリスマス・キャロル』を、2009年に『Disney's クリスマス・キャロル』を製作しました。
ロバート・ゼメキス監督の『Disney's クリスマス・キャロル』では、ジム・キャリーが主人公スクルージほか7役を演じ分けているほか、名優ゲイリー・オールドマンやコリン・ファースが出演。原作の世界をほぼ忠実に表現した、迫力の映像も見どころのひとつです。
同作をもう少しコンパクトにまとめた『ミッキーのクリスマス・キャロル』においては、ディズニーのおなじみのキャラクターたちが続々と出演します。
なんとも豪華な『ミッキーのクリスマス・キャロル』キャストたち!
ロンドンの下町で会計事務所を営むエベニーザ・スクルージは、お金儲けにしか興味がない強欲非道な老人。甥のフレッドがクリスマス・ディナーに誘ってもろくに話も聞かず、貧しい人のための寄付を募りに来た二人組を冷たく追い返します。そんなスクルージを演じているのは、ドナルドダックの伯父さんとして知られるキャラクター、スクルージ・マクダックです。
彼の事務所の従業員、ボブ・クラチットに扮しているのはミッキーマウス。クラチット夫人はもちろんミニーマウスで、3人の子どもたちはミッキーの甥のモーティーとフェルディ、ミニーの姪のメロディ。スクルージの甥フレッドは現実と同じくドナルドダック、事務所の共同経営者だったジェイコブ・マーリーはグーフィーと、ディズニーおなじみのキャラクターたちが演じています。
ちなみに、スクルージ・マクダックはどのくらいお金持ち?
大金持ちだけどケチで頑固、自分の持っているお札の番号はすべて記憶しているというスクルージ・マクダックの名前は、もともと『クリスマス・キャロル』の主人公エベニーザ・スクルージから取られたもの。アンクル・スクルージの愛称でも親しまれ、1967年の『スクルージ・マクダックとお金』で映画に初登場。アメリカの経済誌「フォーブス」が発表したフィクショナル部門の世界長者番付では、2013年に総資産654億ドルで堂々1位に輝きました。
クリスマスの夜に現れる"過去のクリスマスの精霊"役は?
クリスマスイブの晩、7年前に亡くなった元共同経営者マーリーが、亡霊となってスクルージの前に現れ、これからやってくる"過去""現在""未来"の3人の精霊の言うとおりにするようにと忠告します。
最初に現れるのは"過去のクリスマスの精霊"。スクルージを過去の世界に連れて行き、孤独ながら純真だった青年時代や、かつての婚約者イザベル(デイジーダック!)の姿を見せます。大切なものを失った自分の愚かさを悔やむスクルージ…。
過去のクリスマスの精霊を演じるのは、『ピノキオ』(1952)で無垢な人形のピノキオに善悪を教える大役を務めたコオロギ、ジミニー・クリケットです。ここでも、スクルージを正しい方向に導こうとしているんですね。
"現在のクリスマスの精霊"役はあの大男!?
次にやってきたのは、山のような巨体の"現在のクリスマスの精霊"。スクルージを、ミッキーマウス演じる貧しいクラチットの家に連れて行きます。
この現在の精霊に扮しているのは、『ファン・アンド・ファンシー・フリー』(1954)のなかの一編「ミッキーと豆の木」に登場する巨人のウィリーです。
"未来のクリスマスの精霊"役は?
その後に現れるのは、影のような姿をした"未来のクリスマスの精霊"。
未来の精霊はなかなかはっきりした姿を現しませんが、最後に被っていたフードを取ると、そこにはヤマネコのピートの顔が。ピートは、ミッキーの映画デビュー作『蒸気船ウィリー』(1928)以降、ミッキーのライバルとして数多くの作品に登場しているキャラクター。ちょっと乱暴で意地悪なピートは、スクルージを恐怖のどん底に突き落とす役にぴったりです。
ディズニーのスターたちと楽しむクリスマス
過去、現在、未来のクリスマスを見せられて、これまでの行いを大いに反省するスクルージ。はたして彼に人生挽回のチャンスは訪れるのでしょうか?
『ミッキーのクリスマス・キャロル』には、ほかにもディズニーのキャラクターがたくさん登場します。ドナルドの甥のヒューイ、デューイ、ルーイや、グランマ・ダック、ミッキーの仲間のホーレス・ホースカラー、クララベル・カウ、チップとデール。
『三匹の子ぶた』(1933年アメリカ公開)のファイファー、フィドラー、プラクティカル、ビッグ・バッド・ウルフや、『イカボードとトード氏』(1949年アメリカ公開)に収められている「たのしい川べ」のトード氏、ラット、モールなどなど。
よく見ていないと見逃がしてしまいそうなディズニーキャラクターを、ご家族みんなで探してみるのも楽しいですよ!
1年の終わりを目の前にしたこの時期、あなたは何を思い出しますか。この物語のように、クリスマスには、過去・現在・未来の自分を思ってみるのもいいかもしれませんね。

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