『白雪姫』(1937)の公開後、ディズニーは『ピノキオ』(1940)の制作に、最優先で取り掛かりました。そして、才能ある制作スタッフが集結し、それまでのアニメーション界にない、めざましく進化した技術により、世界に類を見ない作品を創りあげたのです。日本公開から65年以上が経過しても、全く魅力の衰えないアニメーション映画『ピノキオ』の制作過程における裏話を、以下10選ご紹介します!
【1】フィガロはウォルトのお気に入り
『ピノキオ』出演キャラクターの中でも、ウォルトはネコのフィガロが大のお気に入りでした。できるだけたくさんの場面に出演させようとしていたほどです。そしてこの映画の制作が終了してしまうと、彼はフィガロをミニー・マウスのペットにしてしまいました。ミニーにはコッカースパニエル犬のフィフィがいたというのに!
【2】ピノキオ完成形までにかかった時間は18ヶ月
制作の初期段階において、アニメーターたちはピノキオを可愛らしくしようと悪戦苦闘していました。12人のアニメーターたちが集結し、18ヶ月をかけて、ウォルトの頭にあるイメージを形にしたのです。アニメーターのミルト・カールは、まずはピノキオを人間の少年のようにしようと提案しました。人間らしさに重点を置くため、その後、人形のような関節やねじの部分を加えていったのです。
【3】クジラのモンストロの声優はサール・レイブンズクロフト
クジラのモンストロの声優は、ケロッグ・コーンフレークで知られるトラのトニーや『101匹わんちゃん』(1961)の馬の大尉、『おしゃれキャット』(1970)のロシアン・キャットなどの声優で有名なサール・レイブンズクロフトが務めています。彼はその他にも、『ホーンテッドマンション』(2003)の気味の悪いお化けも演じています。
【4】フィガロは駄々っ子
アニメーターのエリック・ラーソンは、フィガロに駄々っ子のような特徴を加えました。それが一番わかるのが夕食のシーン。ピノキオが帰ってくるまで待つようにと、ゼペットに夕食をおあずけされているシーンのフィガロは、まさに駄々をこねている人間の子どものようです。
【5】ゼペットは声も姿も声優クリスチャン・ラブ
アニメーターたちはゼペットのキャラクターをどうするか、決めかねていましたが、声優がクリスチャン・ラブと決まるやいなや、彼をモデルにしてキャラクター決定をしたのです。まるで実写版モデルのようでした。
【6】ロトスコープという技術が使われています
ジムニー・クリケットの人間のような動きは、バル・スタントンという俳優の実際の動きから来ています。バルがステージで動いているところを撮影し、ロトスコープを使ってトレースしているのです。
【7】ハト時計は実際に作られました
ハト時計をリアルに描くために、スタッフは実際に機能するクオリティのハト時計を作りました。そしてその動きを観察・研究して描いたのです。
【8】『ピノキオ』はディズニー初のアカデミー賞2部門受賞
1941年第13回アカデミー賞音楽部門において、ディズニー初めての2部門受賞となったのが、『ピノキオ』「When you wish upon a star(星に願いを)」の歌曲賞、作曲賞での受賞でした。ディズニー映画がその後2部門受賞をしたのは、1965年『メリー・ポピンズ』でした。
【9】『ピノキオ』は名優ぞろい
ディッキー・ジョーンズ(ピノキオ役)、クリフ・エドワーズ(ジミニー・クリケット役)、クリスチャン・ラブ(ゼペット役)、チャールズ・ジューデルス(ストロンボリ役・コーチマン)と、映画公開時すでに名の知れていた名優ばかりが出演していました。
【10】他作品に影響を与えた水のシーン
ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ監督は、『リトル・マーメイド』(1989)における水中シーンの制作に、『ピノキオ』のクジラ、モンストロのシーンを参考にしました。
いかがでしたか?ご存知の裏話はありましたでしょうか。
何年経っても古くなることのないディズニーの名作『ピノキオ』を、ぜひまた観返してみてくださいね。
*本記事の作品公開年はアメリカ公開の年を記載しています
ドコモから入会をいただくと、お得な特典やもっとディズニープラスを楽しめる情報、コンテンツが満載のディズニーDXもセットでお楽しみいただけます。